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老朽化が進む納骨堂。左後方は慰霊碑=船橋市営馬込霊園で

 関東大震災(一九二三年九月一日)直後に相次いだ朝鮮人虐殺で、犠牲者を弔う式典などを続けている「関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式千葉県実行委員会」(船橋市)が、同市内にある納骨堂を補修するための募金活動を始めた。大震災から今年で百年を迎え、追悼事業の一環として協力を呼びかけている。二十三日夜には映画上演と講演会があり、七月には慰霊碑などを巡るフィールドワークを行う。(保母哲)

 大震災による混乱の中、流言飛語により県内では船橋市や八千代市、習志野市、市川市など各地で住民や自警団、軍隊が朝鮮人を殺傷。合わせて三百数十人が殺害されたとされる。

 納骨堂があるのは、船橋市営馬込霊園内。身寄りのない九人の骨つぼが納められている。コンクリート製で高さ百七十五センチ、幅と奥行き百三十六センチ。一九七〇年代に建立され、雨漏りするなど老朽化が進んでいる。

 区画内には、虐殺の犠牲者を弔う三つの慰霊碑が建立されている。在日本朝鮮人総連合会県西部支部などでつくる実行委は毎年九月、この場所で追悼式を営んできた。今年の追悼式は九月三日。

 納骨堂とともに石床も傷んで凹凸が目立つなどして、実行委は合わせて補修することにした。QRコードなどからの募金を受け付けており、問い合わせは同西部支部=電047(431)1117=へ。

 七月八日に行うフィールドワークでは、納骨堂や慰霊碑のほか、八千代市内にある慰霊碑などをバスで巡る。参加費三千円。募集は二十五人(先着順)。

 追悼事業の手始めとなった映画上演と講演会は、船橋市勤労市民センターで行われた。映画は、八千代市で起きた虐殺で関係者の証言などを収めたドキュメンタリー「払い下げられた朝鮮人−関東大震災と習志野収容所−」(一九八六年)。

 この後、犠牲者の追悼・調査活動をする「千葉県における関東大震災と朝鮮人犠牲者追悼・調査実行委員会」事務局の平形千恵子さん=船橋市在住=が講演した。

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