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立憲民主党の常任幹事会で発言する泉健太代表(右)=6日、国会内 

 21日までの今通常国会の会期を小幅延長する案が6日、与党内に浮上した。立憲民主党が同日、斎藤健法相の問責決議案を参院に提出するなど抵抗姿勢を強め、残る重要法案の審議日程が窮屈になってきたためだ。岸田文雄首相が会期末に衆院解散に踏み切るとの臆測もくすぶる中、攻防が激化している。

 「会期末まで、可能な限りの法案を成立させたい。緊張感を持って臨んでいく」。首相は6日の政府・与党連絡会議でこう呼び掛けた。

 法相問責案は、6日の参院法務委員会で予定されていた、外国人の収容・送還ルールを見直す入管法改正案の採決を阻止するため、立民が単独で提出。大阪出入国在留管理局の女性医師が酒に酔って外国人収容者を診察した疑惑などを踏まえ「立法事実が根底から崩壊している」と法相の対応を非難した。

 参院法務委員長の解任決議案(2日に否決)に続く法相問責案提出は、審議日程をぎりぎりまで引き延ばし、改正案を廃案に追い込む姿勢を示す狙いからだ。与党は7日の本会議で問責案を否決し、週内に改正案成立を図る構えだが、同委ではその後、性犯罪規定を見直す刑法改正案が審議入りする予定で、日程は綱渡りだ。

 立民の泉健太代表は6日の党常任幹事会で「国会のルールに基づいた戦いをしている。できる限り世論(の関心)を高め、廃案に追い込みたい」と決意を示した。自民党の世耕弘成参院幹事長は記者会見で「単なる日程闘争と断じざるを得ない」と反発した。

 野党が採決阻止を目指すもう一つの法案が、防衛力強化のための財源確保法案。与党は13日にも参院財政金融委員会で採決し、14日の本会議で成立させる段取りを描く。ただ、立民が酒井庸行財金委員長(自民)の解任決議案や鈴木俊一財務相の問責決議案を連発すれば、成立が週単位で遅れる恐れがある。自民党幹部は「小幅延長の可能性はある」と語った。

 対決姿勢を強める立民が内閣不信任案を会期末に提出すれば、首相が衆院解散で対抗するとの観測が与野党に絶えない。自民党の麻生太郎副総裁と茂木敏充幹事長は5日夜に会食し、終盤国会の対応について協議した。この中で麻生氏は「解散はまだ早いのではないか」と慎重意見を示したという。

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