韓国で騒動…! 「飲み物」をぶちまけて去っていった
「60歳以上の入店お断り」。もし、飲食店でこのような表示を目にしたらどう思うだろうか。現在、韓国で60歳以上の客の入店を制限したカフェのことがオンラインコミュニティに投稿され、様々な論争が起こっている。

「子どもや高齢者に優しい」と言われてきた韓国で近年、「お子様お断り」の「ノーキッズゾーン」の店や、今回のように高齢者を制限する店が現れているのである。

こうした特定の年代をターゲットに入店を制限することは店舗側にとってもリスクが高いことだが、今回の件についてカフェのオーナーが決断を下すまでに至った経緯を知ると、単に世代対立にとどまらない韓国社会の抱える深い闇を痛感させられる。

当初、オンラインコミュニティに「60歳以上のシニアを入店制限するカフェがある」という投稿が写真とともに掲載されたことで、「カフェが高齢客を締め出した」という印象からカフェ側を批判する声がネット上で飛び交った。

しかし、反響が大きくになるにつれその詳細が報道され、中でも韓国メディアのJTBCがこの件を詳しく報じた。番組内では、店内に設置された防犯カメラの映像も公開され、若い女性店員が高齢の男性客2人組の姿が映し出されると同時にこのうちの1人がテーブルの上にあった飲み物をひっくり返すと足早に店を後にし、これに続き、残りの1人も店の外に飲み物をぶちまけるように捨てて立ち去ったのである。

「マナーの悪さ」に怒りの声
カフェのオーナーの説明によれば、この男性客2人が本来禁止である喫煙をしていたために、女性店員が注意を促したところ、これを不服とした男性客達が飲み物をぶちまけるという行為をした上、「できるものなら通報してみろ」と女性店員を嘲笑。さらに、セクハラまがいの発言までしたというものである。これによって、カフェの経営者は警察に被害届を出したという。

映像が拡散されたことで、問題行動を起こした高齢客2人の身元が明らかになったものの、驚くべきは、2人がこのカフェの近くで店を経営する自営業者であること、このうちの1人は騒ぎを受けてカフェを訪れてオーナーに謝罪をしたものの、オーナーが「私でなく、店員に謝罪をすべきだ」と言ったところこれを拒否、さらにもう1人はいまだに何の連絡もないという。

「60歳以上」とシニアに向けて入店を制限したカフェオーナーの決断の裏にこのような客の許しがたい行為と苦渋の決断が隠されていたとわかると、世論はカフェ側に同情的な意見が広がった。

騒ぎを起こした高齢者客たちの言動には呆れるばかりである。

詳細が報じられた後に寄せられたコメントの多くは、カフェ経営者の決断を称賛する声とともに、同業者から経営者に対する同情と、高齢客のマナーの悪さを指摘する怒りの声も書き込まれた。

現場のリアル
筆者にもカフェを経営する友人がいるが、今回の件について、やはりカフェ経営者の気持ちが「痛いほどわかる」と言っていた。

また「すべての高齢者が……というわけではないが」と前置きしながらも、実際に度々、高齢者客から不快な言動を受けているということを打ち明けた。