東京から東海道新幹線に乗ると、静岡県の区間がとにかく長い。ひたすら長い。その長さたるや、太平洋に面して東西約155kmもある。

・東京駅
・品川駅
・新横浜駅
・名古屋駅
・京都駅
・新大阪駅

にのみ停車する「のぞみ」を使うと、東京駅や品川駅から名古屋駅までは1時間30~40分だが、
うち1時間あまりは静岡県の通過に費やされる。そんなこともあり、
車内の電光掲示板に「三河安城駅(愛知県安城市)を通過」と表示されたとき、

「ああ、ようやく名古屋か」

と、ホッとする人は少なくないだろう。

県会議員「JR東海は静岡県を軽視」

さて、そんな長い静岡県に、なぜ「のぞみ」は停車しないのか。
新幹線の目的は大都市間の速達だが、JR西日本の管轄する山陽新幹線は停車駅が次第に追加され、
一部列車は大都市以外にも停車するようになっている。現在では、

・姫路駅
・福山駅
・新山口駅

には毎時1本が停車する。対して「のぞみ」は1992(平成4)年の登場以来、停車駅を増やしていない。

 静岡県内には、東から

・熱海駅
・三島駅
・新富士駅
・静岡駅
・掛川駅
・浜松駅

と六つの新幹線駅がある。しかし、これだけの駅がありながら新幹線は通り過ぎるケースが多い。

 東京駅発で見ると、静岡県内に停車する「ひかり」「こだま」は毎時1本程度だ。
静岡市は県庁所在地かつ、人口70万人を超える政令指定都市にもかかわらず「ひかり」すらすべてが停車するわけではない。

 1992年に「のぞみ」が導入された後も、県内各駅の「ひかり」「こだま」の停車数が増えないことに、
県内では怒りの声が上がっている。県議会の会議録を見ると、県会議員などから

「JR東海は静岡県を軽視している」

といった批判が繰り返されている。

「新幹線通行税」という抵抗

それにもかかわらず、のぞみの導入から10年目を迎えた2002(平成14)年になっても、静岡県が要望していた

・「ひかり」の停車駅増加
・「こだま」の本数増加

といった対応は進まなかった。同年12月、石川嘉延県知事(当時)は新たな対抗策を表明する。それは、