0001きつねうどん ★
2023/06/23(金) 06:29:25.62ID:YP/eHBLd若者を中心に従来の働き方にはとらわれない新しいスタイルが受け入れられているが、一方で管理職など中高年の世代が抱く仕事観とマッチせずに、軋轢が生じてしまっていることもよくある。
軋轢が起きてしまう要因は、スキルやキャリアといった人生設計に関わる問題や、古くから続く慣習、マネジメントなど多岐に渡り、世代によって見解がわかれるだろう。
ネット上でもこうした世代間のギャップを嘆く投稿が多く見受けられるが、なかでも5月11日にTwitterへ投稿され、2.8万いいね以上を獲得した下記のツイートの内容が実に興味深い。
≪「無断欠勤しない」と「遅刻しない」は希少スキルなのでそこを求める時点で最賃の倍以上は払えよという気持ちがある。≫
無断欠勤や遅刻をしないということは、社会人として最低限のスタートラインという認識を持つ人も多いためか、リプライ欄で「自分に甘いだけ」「社会出たことなさそう」といったコメントが当然のように寄せられていた。
しかしそんな社会人の常識を「そこまで遵守しなくてもよいのでは?」という声も一定数確認でき、価値観の相違により賛否両論が巻き起こる事態に発展していたのだ。
「現実的にこの2つのことが守れているからと言って、最低賃金を引き上げるのは難しい」、そう語るのは人材研究所代表で人事コンサルタントとして活動する曽和利光氏。
そこで今回は、曽和氏に若者と中高年世代の仕事観の違いについて伺っていく(以下、「」内は曽和氏のコメント)。
会社への帰属意識の低下が及ぼす影響
「労働基準法では、給料を1分単位で計算することが原則となっているので、遅刻すれば減給が可能ですし、無断欠勤も解雇事由になりえます。
したがって遅刻や無断欠勤は、スキルどうこうの話ではなく、現行の法律的に破れば罰則が与えられる対象なんです。そもそも、遅刻や無断欠勤は仕事にかかわる相手の時間を奪う行為ですので、そんな人とは共に仕事したくない人が大半なのではないでしょうか。
ですが、こういった従来“当たり前”とされていた常識がどこまで崩れつつあるのか、人事に携わる人間として興味はありますね」
従来の慣習、ルールを疑う、もしくは反抗するような世代が台頭してきた理由に、「準拠集団」の崩壊が挙げられると曽和氏は続ける。
「準拠集団とは、社会学者ロバート・K・マートンが提唱した概念で、簡単に言えば価値観、態度、行動を決定する際にその根拠を示す集団のことを指します。一般的には家族や大学のサークル、会社などが当てはまりますね。
従来であれば会社が準拠集団の役割を果たし、個人の帰属意識を強めていたのですが、コロナ禍以降、リモートワークの導入が進められ、社員同士の交流が希薄化してしまいました。対面で同僚や上司とコミュニケーションを重ねることで得られるコミュニティ感覚を養うチャンスを逃した、という見方もできるでしょう。
そして民族論的な話になりますが、日本人は『旅の恥は搔き捨て』という言葉があるように、自分が所属するコミュニティ外に出ると急にだらしなくなる、マナー的に問題がある行動をする傾向にあります。
自分の所属するコミュニティ内ではないので、問題のある行動を冒しても自分の評判を貶めることはなく、好き勝手な行動をしがちなんです。
したがって会社への帰属意識が薄くなっている現代では、遅刻や無断欠勤をしてしまっても自分のことしか眼中になく、『叱られたら別の会社に転職すればいい』という、他人事のような感覚になっている層が一定数いるのだと考えられます。
そういった層が、今回のつぶやきをしたツイート主であり、いいねをして賛同した人々なのではないでしょうか」
【後編】『50代の管理職が「若者の働き方」を理解できない「驚愕のワケ」…じつは若者にも「上昇志向」はあった…!』では、若い世代と50代以降の世代のギャップを紐解いていく。
(取材・文=A4studio)
https://gendai.media/articles/-/112223