近年、店員の代わりに料理を運ぶ「配膳ロボット」を導入する飲食店が増えている。コロナ禍で非接触が重視されるようになったこともあり、広く普及した印象だ。

回転寿司チェーン店のかっぱ寿司もその一つだが、ネット上では、同店の一風変わったロボットが話題を呼んでいて…。

■突如現れた河童ロボット
事の発端は、5月下旬のあるツイッターユーザーの投稿。内容としては、かっぱ寿司店内で、河童の模様を施した配膳ロボットが料理を運んでいたというもの。投稿された写真を見ると、緑と白をベースに河童の模様が描かれ、目も付いている。

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かっぱ寿司では、2020年頃からソフトバンクロボティクスの配膳・運搬ロボット「Servi(サービィ)」を導入。こちらは白と黒のシンプルなデザインが特徴で、ドリンク等を注文すると席まで運んできてくれる。

ただ、今回目撃された「河童ロボット」は明らかに見た目が異なる。

■あの「都市伝説」が再燃
かっぱ寿司といえば、かねてから「かっぱ寿司の地下には専用キッチンがあり、捕まえられた河童が寿司を作っている」「河童達の給料は1日1本のキュウリだけ」といった都市伝説がある。今回、店内に「河童ロボット」が現れたことでそんな都市伝説が話題に。

ネット上では、「河童を働かせてるのは本当だったか…」「地下労働から解放されたんか」「河童がサイボーグ化して地上へ」「ついに接客までするように」など、河童が店内で働く様子に驚く人の声が続出。

「河童ロボット」の生態を解明するため、かっぱ寿司を運営するカッパ・クリエイトに問い合わせたところ、様々な事実が明らかになったのだ…。

■「河童ロボット」爆誕の裏側
カッパ・クリエイトの広報担当者によると、件のロボットは2022年3月頃から導入されているとのこと。配膳ロボット「Servi」も稼働しているが、なぜ河童模様のロボットも加わったのか聞いた。

「非接触型の配膳にエンターテインメント性をプラスして、顧客満足の向上を図るためです。ロボットの音声もかっぱ寿司のキャラクター『カーくん』仕様になっています」(前出・広報担当者)。

かっぱ寿司には、河童のキャラクター「カーくん」と「パー子ちゃん」がいるが、2016年にブランドロゴが刷新されたことに伴い、店舗の看板から姿を消していた。

そんな名物キャラクターが、最先端のロボットの音声に採用されていたとは驚きである。担当者は明言しなかったが、心無しか、このロボットの目、「カーくん」に似ているような…。

■どれくらい働いてる?
遊び心あふれる「河童ロボット」、記者が住む近隣の店舗では働いていなかったが、どれくらい導入されているのか。前出の広報担当者は、「今後の運用については、変更される場合がある」と前置きしつつ、こう続ける。

「2023年6月時点では、東京都、神奈川県の店舗のうち17店舗で導入しております。営業状況などにより稼働していない場合がございます」(前出・広報担当者)。現在は少々レアな存在のようだ。

かっぱ寿司の店内で、汗を流す「河童ロボット」を見かけたら、応援してあげよう。

(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人)

https://sirabee.com/2023/06/24/20163102754/