「唐揚げブーム」も長くは続かなかったようだ。

 民間調査機関の「帝国データバンク」がまとめた、今年1月~6月末までに倒産した「唐揚げ店」(負債1000万円以上の法的整理による)の運営企業数が9件となり、これまで最多だった21年(6件)を上回って過去最多となった。

 帝国データの分析によると、コロナ禍の中で出店が加速したものの、最近は原材料価格が急騰。仕入原価の上昇などを理由に経営破綻に至ったケースが見られるという。

 一般社団法人「日本惣菜協会」が公表している「2023年版惣菜白書」によると、唐揚げなどの揚げ物を含む「一般総菜」の市場規模は3兆5846億円となり、コロナ禍前の19年比で0.8%増と好調を維持。そのため、SNS上では、唐揚げブームの終焉と運営企業の倒産増加に驚きの声は少なくないが、一方で、<唐揚げは毎日食べるものじゃない><うちの近所にも唐揚げ店ができて、最初は行列だったけれど今は閑古鳥。もう飽きた>といった意見もある。

 市場規模は拡大しているはいえ、栄枯盛衰が激しいのが外食、総菜産業だ。これまでも「タピオカ」や「高級食パン」など、街のあちこちで出店ラッシュが続いたかと思いきや、その後、いつの間にか目にしなくなった品は多い。果たして唐揚げに続く「ブームの終わりが近い総菜」は何か。

■「おにぎり」「チーズタッカルビ」の今後は…

 ネット上で辛口意見がチラホラみられるのは「おにぎり」だ。総菜白書によると、弁当、おにぎり、寿司などの「米飯類」の市場規模は、4兆7699億円(22年)となり、一般総菜と同様にコロナ禍前を上回っている。

 最近は具材にこだわり、ごはんから飛び出るほど中身を大きくしたり、これまでに見られなかったような食材を使用したりするなど種類も豊富に。おにぎりを取り扱う店舗数も目立ってきたが、同時に上昇しているのが価格で、1個当たり300円、400円のおにぎりも珍しくなくなった。

 このため、SNS上では、《こだわりはいいが、最近のおにぎりは少し高いかな》《こだわりむすび1個と一緒におかず1品を買ったら、軽く500円超え。飲み物を加えると、下手したら1000円近い。これは痛い》といった意見もある。

《ブームの終わりは近いか、もう終わった》などと“名指し”されているのが韓国料理の「チーズタッカルビ」。甘辛い鶏肉と野菜にたっぷりのチーズを絡める食べ物で、日本各地に広まった。女性客を中心に人気を集めたが、ネット上では、《とにかくカロリーがね、気になる》《もういいかな》などと冷めた見方が少なくないようだ。

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