0001きつねうどん ★
2023/07/14(金) 12:31:57.30ID:VOv6aqPT台湾発、世界最大級の半導体会社「TSMC」の工場誘致に成功し、2024年の稼働開始に向けて今、沸きまくっているのが熊本県菊陽町だ! 「建設現場が超高給」「地価もうなぎ上り」などにぎにぎしい噂ばかりが聞こえてくるけど、実際はどうなのか? ルポライター・安田峰俊(やすだ・みねとし)氏が歩いてみたところ......マジでヤバかった!
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■超ハイテク企業という「未知との遭遇」
今、熊本県がアツい! その理由は世界最大規模の半導体ファウンドリ(後述)である台湾のハイテク企業・TSMC(台湾積体電路製造)の進出だ。
2021年10月、同社は日本での工場建設計画を発表。予定地に選ばれた熊本県菊陽町では、程なく急ピッチで建設工事が開始された。
工場はソニーグループとデンソーの出資も受けた日本での子会社・JASMが運営する形で、24年末からの操業を予定している(ややこしいので、以下、地元の呼称でもある「TSMC」で統一)。
今年6月には、TSMCの劉徳音(マーク・リュウ)会長が、菊陽町内でさらに第2工場を建設する見通しを発表した。さらに今年夏からはついに、台湾から駐在員とその帯同家族ら約600人がやって来て、熊本県の土を踏む。
しかし、一連のニュースで脚光を浴びている菊陽町一帯の人々は、巨大な超ハイテク台湾企業の工場進出という「未知との遭遇」にどう向き合っているのだろうか? 現地を歩いて調べてみた――。
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6月7日午後5時前、気温は約27℃。私はホテルから約2㎞離れた目的地を目指して、田舎道を歩き続けていた。
カエルの合唱が聞こえる田んぼ道を抜け、神社の角を曲がって雑木林に入ると、クヌギの樹液の甘いにおいが漂った。
だが、林を抜けて坂を上ると、サツマイモ畑の向こうに突如として巨大な人工物が見えてきた。TSMCの工場である。
建設工事は昨年4月21日に着工されたばかりだが、建物の外観はあらかた完成していた。工場から県道30号線を挟んで、急ごしらえの広大な駐車場があり、ほぼ満車状態である。工事に従事する人員は最大で一日5000人といわれ、彼らの自家用車や派遣会社の送迎バスの数だけでも膨大な数に上るのだ(別の場所にも駐車場がある)。
やがて、敷地内からヘルメット姿の男たちが大勢出てきた。工事は24時間態勢で進められているが、5時に退勤する人は多いらしい。日給3万円ともいう高給のためか、国内のほかの建設現場と比べて外国人労働者が少なく、日本人の姿が目立った。
退勤者の人波は工場から駐車場までの歩道を埋め尽くし、切れ目なく続いた。工場の裏手にはさらに、下宿組の作業員用のバス停があり、特別運行のバスが彼らを宿舎までピストン輸送している。
程なく、周囲の車道が退勤者の自家用車で埋まり始めた。TSMCの工場建設が始まって以来、朝夕の渋滞は菊陽町の新たな名物だ。
もちろん、こうした活気は工場周辺にとどまらない。
「(阿蘇くまもと)空港からお客を乗せる頻度は、以前は一日に3回ほどだったのが、今は一日6、7回は必ずあるんです」
地元のタクシー運転手(70代)は言う。付近のビジネスホテルも、コロナ禍による宿泊者減にあえいだ数年前の惨状がウソのような盛況ぶりで、工事関係者の長期滞在が目立つ。1泊の宿泊費も2倍近くに上がったという。
そんなTSMCパワーは夜の街でも見られた。隣の大津町のJR肥後大津駅前には小さな繁華街があり、足を向けてみたところ、平日にもかかわらず夜9時頃にはキャバクラやガールズバーは軒並み満席である。
客引きの男性と話すと、ひとり当たり数万円レベルでお金を使う工事関係者も多く「空前のバブル」だという。若い女のコがいる店は限られているため、そこで集中的に散財してしまうようだ。
つづき
https://wpb.shueisha.co.jp/news/society/2023/07/14/120007/