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共産党が発行した党史「日本共産党の100年」のタブロイド判を手にする志位和夫委員長=東京都の党本部で2023年7月25日、加藤明子撮影

 共産党は25日、1922年の結党からの100年をまとめた党史「日本共産党の100年」を発行した。戦前戦後を通して、弾圧や反共攻撃といった「絶え間のない攻撃にさらされ、それを打ち破りながら前途を開く」という「苦闘の100年」だと振り返った。

 共産は国内の政党では最も創立が古く、党史の刊行は2003年以来20年ぶり。天皇制廃止などを掲げて弾圧された戦前から現代まで、年代ごとに全5章、約20万字でまとめた。タブロイド判は280円で、党本部や都道府県委員会などで購入できる。10月に書籍化され、一般書店でも販売する予定だ。

 1960年代以降、国政選挙で「3回の躍進」を経験したとし、「そのたびに支配勢力は反共キャンペーンと反動的政界再編で応えた」と指摘。旧社会党と公明党が共産抜きの連合政権構想で合意した80年の「社公合意」や、00年代の「財界主導の2大政党の政権選択のおしつけ」などで党勢が後退したと記載。立憲民主党と政権の枠組みで合意した21年衆院選を「はじめて政権交代に正面から挑戦する歴史的なたたかい」と総括しつつ、「激しい反共攻撃に遭遇」し、攻防は「現在進行形で続いている」とした。

 現状は「長期にわたる党勢の後退から前進に転ずることに成功していない」と分析する一方、党の政治的影響力は60年代に比べて「はるかに大きくなっている」とも指摘した。

 志位和夫委員長は25日の記者会見で「古い政治にしがみつく勢力から常に非難や攻撃にさらされ、それを打ち破りながら成長を図る『生きた攻防のプロセス』として歴史を明らかにすることを心がけた。我が党の真実の姿を知ってほしい」と語った。【加藤明子】

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