企業の不思議な「社則」について調べました。

■会社が独自に決めたルール「社則」…弁護士事務所は「守秘義務の徹底」
「社則」について牧野太郎弁護士に伺ったところ、法律上の明確な定義はありませんが、公に提出する就業規則や賃金設定をはじめ、服装など会社が独自に決めたルールをひっくるめて「社則」や「社内規定」と呼ぶということです。

 牧野弁護士の事務所の社則の一つが「顧客の相談内容をはじめ、業務上知り得た情報全般について、全スタッフに守秘義務を徹底」です。

たとえ職員が秘密を漏らした場合でも、弁護士である自分が処罰対象となってしまい、本当に信頼の置けるスタッフのみを置いていると話しています。

■ホテルでは「生ガキ禁止」
 名古屋マリオットアソシアホテルでは、身だしなみをはじめたくさんの社則がありますが、その中に「全社員、プライベートでも生ガキを食べてはいけない」というものがあります。

理由はノロウイルスの感染予防のためです。感染力が強く目に見えないので、もし感染者が出てしまった場合は、通った場所全てを消毒しなければなりません。仮に食堂に立ち入っていた場合は、全食材を廃棄しなければならない可能性も出るため、業務が立ち行かなくなるということです。

このため普段から手洗いなどを徹底しつつ、ノロウイルスの原因になりやすい生ガキはプライベートでも食べてはいけないと決めています。


■「ペット同伴OK」の会社とは?
 ペットフードの「カルカン」やチョコレートの「エムアンドエムズ」を販売する「マースジャパンリミテッド」は、社則で「ペット同伴OK」としています。

飼い主はペットと交流すると健康状態が良くなることが研究で明らかにされていて、「ペットにより良い世界」を会社のビジョンに掲げ、OKにしているといいます。

他にも「ペットを亡くした社員は1日有給休暇がもらえる」「出張する時、ペットホテル代を支給する制度」もあるということです。

■アプリゲーム制作企業は「サイコロ」で給料を決める
 サイコロの出目によって給料が決まる「サイコロ給」を採用しているのが、神奈川県鎌倉市に本社を置くIT企業「面白法人カヤック」です。アプリゲーム制作や、企業の広告企画や制作を手掛けています。

月給にサイコロの出た目のパーセントが+αとしてボーナスに加算して支給される仕組みで、例えば月給が30万円でサイコロで6を出したら、30万円の6%=1万8千円が加算されます。

なぜこの制度を作ったのか聞きました。

面白法人カヤックの広報:
「給料って人からの評価で決まる部分が多いので、楽しく面白く働けないんじゃないかと。仕事をする一番の目的が『上司の評価』となってしまうと、会社としてもよくない。評価制度に捉われない給与があっても面白いんじゃないかというのと、社員のモチベーションが上がってくれたり、のびのびと働いてくれたらというところからサイコロ給ができた」

創立した1998年からやっている伝統社則で、なんとWEB上には「サイコロ給ランキング」なるものまで公開されていて、誰がたくさんもらったかわかるようになっています。

https://www.tokai-tv.com/tokainews/feature/article_20230809_29140