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ウクライナ軍は大量のレオパルト1A5戦車を手に入れようとしている。その数なんと200両にのぼる。

1980年代にドイツが設計したレオパルト1A5の重量は40トン、乗員は4人だ。これらの戦車がウクライナの戦力としてどれだけ役立つかは、同国軍の活用方、そしてどれだけ大幅にアップグレードするかにかかっている。

ドイツ政府は2月にレオパルト1A5をウクライナに輸出することを承認した。かつてレオパルト1を運用していたドイツとデンマーク、そしてオランダはウクライナに代わって少なくとも135両のレオパルト1A5の購入・改修費用を負担する計画だ。

ウクライナ軍乗員のレオパルト1A5操作訓練はドイツで今春開始。そして7月下旬に最初の10両のレオパルト1A5がウクライナに到着した。

第一陣の10両は新設された第44機械化旅団に配備される可能性がある。残りの戦車は4つの機械化旅団それぞれの計4つの大隊に配備できるかもしれない。今後到着が見込まれる戦車は30両で1つの大隊を編成できそうだ。

ドイツ、デンマーク、オランダのコンソーシアムがレオパルト1A5の最初の大量供与に取り組んでいる間、ベルギー政府は独自に委託によるレオパルト1の供与に取り組んでいた。

この取引には時間を要した。レオパルト1を製造したドイツ企業ラインメタルは今週、ベルギーの防衛企業OIPランドシステムズが所有していた50両のレオパルト1のうち、新たに30両をウクライナ向けに改修すると発表した。

これにより、ウクライナに送られるレオパルト1は少なくとも165両となる。欧州各国の政府がレオパルト1をさらに探し出して確保しようとており、この数は今後も増える可能性がある。ドイツ国防委員会のマルクス・ファーバー議員は、ウクライナは今年100両、来年も100両のレオパルト1を手に入れるだろうと主張した。

レオパルト1A5がウクライナで最も多い西側製の戦車になる日はそう遠くなさそうだ。ウクライナ軍は54両のレオパルト2A4、10両のスウェーデン仕様のレオパルト2A5、さらに21両のレオパルト2A6をすでに受け取ったか、まもなく受け取る予定だ。また、14両の英国製のチャレンジャー2戦車はすでに到着し、31両の米国製M-1A1エイブラムス戦車もウクライナに向かっている。

レオパルト2は、6月4日に始まったウクライナ軍の反攻作戦の前線で繰り広げられている激しい戦闘に投入されている。ロシア軍はレオパルト2A4と2A6を各2両破壊し、さらに各モデルを数両ずつ損傷させた。戦闘でダメージを受けたレオパルト2A4の一部は現在ポーランドで修理中だ。

このような損失にもかかわらず、ウクライナを支援する欧州の国々はレオパルト2の追加供与を約束していない。これはおそらく各国の軍がレオパルト2をまだ使用しているためだろう。加えて、スペインに保管されているもののように、使用されていないレオパルト2の状態は極めて悪い。
同様に、英国もチャレンジャー2のさらなる供与を申し出ていない。おそらく、英陸軍がすでに保有しているチャレンジャー2が少なく、自国で使用するためにアップグレードしたいからだろう。

何年もかかる可能性のある戦車生産ラインの新設がなければ、比較的数が多いレオパルト1や米国のM-1がウクライナ軍の主力の西側製戦車になりそうだ。M-1の数がレオパルト1を上回るかどうかは、米国がM-1を追加供与するかどうか、そしていかにすばやく供与するかにかかっている。