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【図解】衆院選を巡る立憲民主党の状況

 次期衆院選で、立憲民主党の泉健太代表が目指す野党各党との候補者調整の見通しが立っていない。各党は比例票の掘り起こしも視野に、独自候補の擁立を推進。競合区が増えており、調整はますます困難になっている。

 泉氏は6月末、日本維新の会や共産党とは候補者調整をしないとしてきた従来方針を改め、国民民主党も含めた3党と調整を行う方針に転換。野党候補一本化を求める党内の強い声を踏まえた判断だった。

 しかし、国民の玉木雄一郎代表は「共産党と組んでいるような政党とは協力しない」と明言、泉氏に共産との関係清算を突き付ける。国民代表選(9月2日投開票)では前原誠司代表代行も出馬しているが、仮に前原氏が代表になっても「非共産」路線に変わりはない。立民、国民両党を支援する連合も「共産との共闘はあり得ない」(芳野友子会長)と否定的だ。

 ただ、立民内には「共産とも一定の協力は必要」とする声は多く、泉氏が「清算」に踏み出すのは容易ではない。

 維新との候補者調整も期待薄だ。維新は次期衆院選で「野党第1党」を立民から奪取することを目指す。馬場伸幸代表は「まずは(立民を)たたきつぶす」と語るなど、両党はライバル関係にある。

 共産との間でもハードルは高い。同党の志位和夫委員長は与党候補に打ち勝つには「本気の共闘」が必要だとして、立民に対して(1)政権合意(2)政策合意(3)対等・平等、相互尊重の選挙協力―を要求する。

 これに対し、立民内には「共産との表立った協力は前回衆院選と同様に保守・中道層が離れる」(関係者)との懸念がある。立民幹部も「共産の全ての要求を受け入れることは不可能だ」と指摘する。

 調整が遅々として進まない状況を見かねて、野党共闘を後押しする民間団体「市民連合」は8月上旬、立民、共産などに対し、維新を除く形で選挙協力を実現するよう求めた。これに対し、泉氏は「中道から穏健な保守層も含めて、大きな勢力をつくっていかなければならない」と応じるにとどまった。

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