0001請安息吧 ★
2023/08/29(火) 19:51:27.34ID:QjT1Hv5O「大阪府が美術品(総額2億円超)を庁舎の地下駐車場で保管していた」ことについて、毎日新聞が「美術品を粗大ゴミ扱い」とセンセーショナルな見出しをつけて報じ、一時大きな波紋が広がった。
----------
「維新は美術を敵視している」
「維新の支持者はアートやアーティストを嫌っている連中ばかり」
「維新が勢いづけばこのような状況が全国に広がってしまう」
----------
報道を受けて、このような非難の声がネット上で拡大した。
もっとも、今回の騒動の発端となった美術品は、もとはバブル期に美術館の新設構想があり、それに向けて大量購入されたものの一部であった。その多くを新設された大阪府立江之子島文化芸術創造センターに移したが、どうしても入りきらなかったものが保管されていたという経緯がある。大阪府の吉村洋文知事も現在の状況が好ましくないことは理解しており、保管されている残りの美術品の受け入れ先を早急に検討することにしているようだ。
こうした背景を見るかぎり、大阪府・市における「与党」である維新は、自分たちが購入したわけでもないバブル期の遺産にそれなりに努力して対処していたとさえ評価できるようにも思えるのだが、初報を出した毎日新聞による「【スクープ】美術品を『粗大ゴミ扱い』」という、明らかにSNSの文化的エリートやインテリたちが反応しそうな見出し文に、思惑通りまんまと煽られてしまった形といえるだろう。
「美術の権威を引きずり下ろしたい」
本件について、とくに注目に値する意見だと私が感じたのは、画家の永瀬恭一氏によってX上で発信された一連の指摘だ。これはきわめて重要な論点を提供している。
僕は作品の尊重を訴えたい立場だけど、美術の権威を引きずりおとす維新に「よくやっている」「改革を進めている」と喝采する人の欲望、というものへ想像力を持たないと、逆効果になるだろう。
― 永瀬恭一(一人組立) (@nagasek) July 24, 2023 大阪府とその背後にある維新が支持を集めるのは、美術の権威を引きずり落とすことに喝采する人びとの欲望がある――とする指摘だ。
このニュースに対してアーティストや文化人から向けられている批判のなかでは、もっとも「核心」に迫っている意見のように見える。しかしながら、迫ってはいるものの、核心を的確に突いているわけではない。
というのも、永瀬氏は「維新の美術を粗雑に扱う態度は、一定層に確実に支持される」と考察しているが、そうではないのだ。維新がいま大衆に支持される本当の理由は「『維新の美術を粗雑に扱う態度は、一定層に確実に支持される』という言説が芸術人や文化人や知識人から発せられること」にある。
「美術の権威を引きずり下ろす態度」が大衆に支持されているのではなく、このように「『美術の権威を引きずり下ろす態度が支持されている』というもっともらしい意見が文化人や知識人から発せられていること」こそ、大衆からの維新支持の源なのだ。
ようするに、「維新を支持するような奴らは、美術や芸術や文化や教養の価値なんか分かりっこない衆愚なのだ」という知的・文化的エリートによるスノビッシュな言動こそが、維新にとって最大の追い風となっているということだ。維新はただ、そうしたボトムアップの気運を察知して、それにフィットするようなメッセージ性を打ち出しているだけだ。
永瀬氏は「美術の権威を引きずり下ろすことに喝采する人の欲望に(同業者たちは)想像力を持つべきだ」と警鐘を鳴らしている。本当に善意と危機感でそのように発しているのはわかるし、その見立て自体は悪くはないのだが、こと「維新旋風」はそうではないのだ。「美術の権威を引きずり下ろすことに喝采する人の欲望に(同業者たちは)想像力を持つべきだ」という一見して冷静で中立的に見える意見こそが、ほかでもなく、文化人や知識人が危惧してやまない「美術・文化予算を削って生活支援に回そう」という政治・社会的気運をつくりだしてしまう本当の原因なのである。
次ページは：知的・文化的エリートの欲望
続きは下記リンク先を
8/29(火) 6:33配信 現代ビジネス
https://news.yahoo.co.jp/articles/3c2e3e1f84548ed4d4ff02de3f9b82afd5206193
