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日本保守党のXの表紙。百田氏(左)と有本氏。半月足らずで23万人以上のフォロワーを集めた

北朝鮮がミサイルを複数回発射、その中で岸田文雄首相による内閣改造が行われた13日、作家の百田尚樹氏と私、有本香が立ち上げた「新党」が、正式な党名を発表した。

私たちが設立した団体の名称は「日本保守党」。略称は「保守党」という。以後、お見知り置きいただきたい。

名前の由来は、読んで字の如し、特段説明する必要もなかろう。今の日本政界に存在しない「保守」の政治を目指すという志を表した。

党名発表が13日となったのには理由があるが、北のミサイルや内閣改造にわざわざぶつけたわけではない。経緯はこうだ。

本コラムで書いたとおり、去る1日、「百田新党(仮称)」という名称でSNS(X=旧ツイッター)を開設して始動した。このアカウントがたちまち多くのフォロワーを得て、約1日で10万を超えたのである。

アカウント開設時には、党名発表は「10月17日」と告知していた。同日に都内で記者会見と「結党の集い」を開催し、その場で「党名」含め、党の指針、全容を発表する予定だった。

しかし、予想外の反響の大きさを見て急遽(きゅうきょ)、百田氏が「フォロワー数が20万を超えたら、前倒して党名を発表する」とXに投稿。その目標を達成したのが、13日未明だったというわけだ。

つまり、ネット上にいる多くの国民の声、期待に押されて、1カ月以上も前倒しの党名発表となった。誠にありがたい限りである。

とはいえ、「日本保守党(略称‥保守党)」はいまだ国政政党ではない。

公職選挙法(86条)、政治資金規正法(3条2項)、政党助成法(2条)、政党法人格付与法(3条)の定める政党要件は、次の通り。

1.現職の国会議員が5人以上所属している2.前回の衆議院議員総選挙か、前回か前々回の参議院議員通常選挙のいずれかで、得票率が全国(選挙区か比例代表のいずれか)で2%以上ある―のいずれかを満たす必要がある。

ただし政党助成法では、2のケースでも所属国会議員が1人以上いないと政党とは認められない。

この政党要件を満たさない限り、企業・団体からの献金は受けられず。個人からの献金も少額に限られ、政党交付金という多額の助成(国会議員一人あたり約4500万円相当)も受けとることができない。

資金的に非常に厳しい制限のある私たちが、頼るのはネットを使って直接、国民の皆さんに訴えることしかない。

早くも、一部の自民党支持者からはこんな声が聞かれる。「百田尚樹の知名度があろうが、ネット上のフォロワーが多くあろうが、泡沫(ほうまつ)『新党』に何ができる?」。

大与党の支持者様が小馬鹿にするのも然り。今の私たちは無力な存在だ。

かねてから言っているとおり、自民党が「巨象」だとすれば、日本保守党は「蟷螂(とうろう)の斧」。しかし、保守党が、Xのフォロワー数では全ての野党の公式アカウントをゴボウ抜きし、自民党の数に迫るところまできていることも事実だ。

この現象をネット上の国民有権者は「痛快」と思って楽しんでいる。高杉晋作ではないが、「おもしろきこともなき世をおもしろく」することも私たちの役割の一つと心得ている。

かといって、過去の少数政党のように「面白さ」を狙い、奇をてらったネーミングや策を掲げることはしない。あくまでも、日本をど真ん中に置いた「正論」で攻めていく。