2023年9月12日、青森県青森市で歴史的な出会いが実現した。

青森人が愛するご当地パン「イギリストースト」を製造する工藤パンに、ジュリア・ロングボトム駐日英国大使が訪れたのである。

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英国大使館の公邸シェフが作ったマーマレードを工藤パン会長・工藤恭裕さんに渡すジュリア・ロングボトム駐日英国大使(引用元:Julia Longbottom@JuliaLongbottom)

ジュリア・ロングボトム駐日英国大使は12日、自身のXアカウント(@JuliaLongbottom)で

「青森のソウルフードでありながら、英国の名前を素晴らしい味とともに広めてくださっている、『イギリストースト』を製造している工藤パン。
本日、英国大使館の公邸シェフが作ったマーマレードをお渡ししました。工藤会長、大使館とのコラボ商品はいかがでしょうか?」
と呟きながら、工場を見学したりイギリストーストを食べたりしている瞬間の写真を投稿。X上のイギリストーストファンや青森県民に衝撃をもたらした。

イギリストーストは、工藤パンが1967年から販売している商品。山型食パンにマーガリンとグラニュー糖をかけたものだ。パッケージには英国の国旗・ユニオンフラッグが使われているが、山型の食パンが「イギリスパン」と呼ばれていることから命名されただけで、国にちなんで作られたわけではない。

なぜ、大使がやってくることになったのか。Jタウンネット記者は13日、工藤パンを取材した。

英国大使が「イギリスライン」を30分見学
工藤パン・総務部次長の青山忍さんによると、今回の訪問は大使館側の発案だった。「大使が青森に行く予定があるので、訪問できないか」と相談されたのだという。

「驚きしかありませんでした。大使がやってくるなんて『本当?』と思っていました」(工藤パン・青山さん)
しかし、それは「本当」だった。

9月12日、ジュリア・ロングボトム駐日英国大使は工藤パンを訪れ、約1時間滞在。工場見学や試食を行ったという。

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「イギリスライン」を見学するジュリア・ロングボトム駐日英国大使(引用元:Julia Longbottom@JuliaLongbottom)

今回の訪問について青山さんは「成功だったと思います」と語る。

「工場内は暑いのですが、イギリストーストを製造する通称『イギリスライン』など大使は30分ほど工場を見学なさいました。充実した時間を過ごしてくださったと思っています」(工藤パン・青山さん)
また、試食の際には「イギリスでは大人は甘いパンを食べない」「こういったパンが広まっているのはいいことですね」と感想を述べたそうだ。

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試食をするジュリア・ロングボトム駐日英国大使(引用元:Julia Longbottom@JuliaLongbottom)

英国大使の工場訪問はもちろん、創業以来初めてのこと。青山さんは「事件のようなものです」と振り返る。

「非常にインパクトのある出来事でした。実は30年くらい前に英国大使館に国旗のデザインを使って良いか問い合わせてOKをいただいたという出来事があったのですが、まさか大使が来るなんて......。これまでイギリストーストに携わってきた人々や、考案した創業者もびっくりしているでしょう。とても感慨深い出来事です」(工藤パン・青山さん)
なお、今回の訪問の動機について駐日英国大使館にも取材したところ、広報部は次のようにコメントした。