韓国が「日本に勝った」「日本を超えた」のウラで…
韓国で、文在寅(ムン・ジェイン)前政権時代の悪質な統計操作疑惑が次々と明るみになっている。

朝鮮日報が、2017年から5年間の文在寅前政権下で「家計所得動向」や「雇用率」、「アパート(大型マンション)の価格上昇率」といった公式統計記録の操作に、大統領府である青瓦台と韓国統計庁が関わっていた疑いがあることが報じたのである。

特に2020年からの3年間は新型コロナによる感染拡大による影響などから、社会、経済活動は大きく停滞していたにもかかわらず、こうした統計が高く示された背景と疑惑に納得させられる。

韓国が経済面で「日本に勝った」、「日本を抜かした」と強調していたウラにも隠された真実があったといえるわけだ。

文在寅前政権下で政策の効果を示す統計が軒並み操作されたとされる疑惑をめぐっては、もちろん「文在寅によって韓国経済が輝かしい成長に転じた」と印象づける狙いもあったのだろう。またこの時期、「韓国が日本を抜かした」、「韓国の年収が日本を超えた」などと、韓国経済が成長しているかのように強調された記事が目につくようになっていたのも記憶に新しい。

日本と韓国の「給料事情」
確かに、2023年の韓国の平均年収は7,680万ウォン(日本円で約847万円)、アルバイトやパートの最低賃金は時給9,620ウォン(約1,060円)であり、雇用主はアルバイトやパート労働者に対しても健康や雇用保険への加入を義務付けている。

アルバイト検索のアプリを見ても、コンビニ、カフェ、食堂など求人条件はどこでも最低賃金かそれ以上の額が提示されていて、中には10,000ウォン(約1,101円)を超える求人も目につく。

かつては韓国から就職斡旋を受けて日本のホテルなど主にサービス業に就く韓国の若者が多かったものの、現在では韓国人の志願者は減少傾向だという話も聞き、その理由は「今の日本が韓国よりも労働賃金が安いから」とされてきた。

このように羅列すれば、いかにも韓国が日本より労働条件が恵まれ、成長しているかのような印象を受けるであろう。しかし、それを全面的には「肯定」できない事情が実際にはあちこちで聞かれる。

たとえば、今年、大学に進学した男子学生は現在、コンビニでアルバイトをしている。アルバイト探しをしていた時、目にした求人はどれも最低賃金かそれ以上の時給が提示されいたので、当然のことながらこれを前提にアルバイト代の目安を計算して面接に臨んだ。

ところが、面接に訪れると経営者から驚くべき話があった。

ある「驚くべき話」を聞いた!
経営者によると求人に出ている最低賃金を支払えば店の経営は成り立たず、最低賃金よりも安い時給での雇用になるとのことであった。

そして、「それでも働けるか?」と経営者から聞かれ、男子学生は驚いたものの、初めてのアルバイトであること、来年に兵役に行くまでの期間であることを考えて「社会勉強」として割り切って、働くことにしたというーー。

この例は、政府の最低賃金を下回っていることを同意の上で雇用労働契約関係が成立しているが、このように経営者がきちんと事情を説明するだけまだ良心的といえる。コンビニ、カフェ、食堂など小売、飲食店ではこうしたケースは実は多いという。

特にフランチャイズのコンビニやカフェは手っ取り早く開業できる反面、店舗の乱立で過当競争にある。また、近年の物価高騰などを考えれば、政府の提示通りの賃金で人を雇えば、経営が成り立たない店舗が少なくないことは容易に想像できる。