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衆院予算委で、立憲民主党の野田佳彦元首相の質問に答弁する岸田文雄首相=2024年2月26日午前11時20分、岩下毅撮影

 自民党派閥による裏金事件を受け、疑惑の当事者が弁明する衆院政治倫理審査会(政倫審)をめぐり、立憲民主党の野田佳彦元首相は26日の衆院予算委員会の集中審議で、「公開で開催するよう指示すべきだ」と岸田文雄首相に迫った。首相は「説明責任を果たすよう促す」と繰り返し、公開の指示を明言しなかった。

 衆院政倫審は28、29両日に開かれることが決まっている。審査を申し出たのは、安倍、二階両派の幹部5人。議員も報道陣も傍聴できない「完全非公開」を希望しているのに対し、野田氏は予算委で、「完全公開でやれと指示したらどうか」と首相に求めた。首相は、非公開を原則とする政倫審の規程を持ち出し、「国会で判断すること」と繰り返した。

 これに対し、野田氏は「総理が指示すれば国会は動く。指示するのか。しないのか」と首相の決断を改めて促したが、「本人に働きかけを続ける」として明言を避けた。

 審査を申し出ているのは、安倍派座長の塩谷立元文部科学相、同派事務総長経験者の西村康稔前経済産業相、松野博一前官房長官、高木毅前国会対策委員長に加え、二階派事務総長の武田良太元総務相の計5人。

 政倫審は原則非公開だが、議員本人の意向次第で公開にすることもできる。過去の政倫審では、議員や報道陣にも公開する方法で複数回開かれている。議員や報道陣に公開しない「完全非公開」は1996年の1回のみだった。

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