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 沖縄の伝統的な祭りでアヒルに対する虐待的な行為があったとして、警察は祭りの関係者を書類送検しました。

■約580年続く「糸満ハーレー」で開催 何が…
 海に放ったアヒルを人間が泳いで捕まえる「アヒル取り競争」。海の安全や豊漁などを願い、例年多くの人が参加しています。

 「アヒル取り」は沖縄県糸満市で旧暦の5月4日に行われる伝統行事ですが、この行事の関係者が動物愛護法違反の疑いで書類送検されていたことが分かりました。

 「アヒル取り競争」は、市の無形文化財に指定されているおよそ580年の歴史がある祭り「糸満ハーレー」の中で行われてきました。

 一体、何があったのでしょうか。

NPO法人アニマルライツセンター 岡田千尋代表理事
「アヒルは骨折とか窒息とか、衰弱する可能性もある状況。こういったことをやめてもらいたいと、多くの市民が声を上げてきた」

■動物虐待? 糸満市民「ちょっと心外だな」
 去年7月、都内のNPO法人が「動物虐待」にあたるとして、祭りの関係者3人を刑事告発。「その性質上、動物に対して過度な恐怖心と心理的抑圧が必ず加わるもの」と主張していました。

 この告発を受理した警察は、行事の関係者の男性1人を今月22日に那覇地検に書類送検しました。

 地元の人からは、次のような声が聞かれました。

糸満市民
「こういう動物愛護(の精神)を持つことは悪いことではないと思うし、むしろ良いことだとは思うんですけれども。(骨が)折れたりとか血を流したりとか、今まで聞いたことがない、アヒルたちが。一方的に動物虐待と言われるのは、ちょっと心外だなと思います」
 伝統行事か、動物虐待か。専門家は、検察は今後難しい判断を迫られると指摘します。その判断のポイントとは…。

■弁護士「ちゅうちょせざるを得ないのでは」
 沖縄県糸満市の伝統行事「アヒル取り競争」を巡って、今月、関係者が動物愛護法違反の疑いで書類送検されました。

 伝統行事か、動物虐待か。街の人からは、次のような声が聞かれました。

街の人
「伝統的な行事ですし。かわいそうという気持ちだけで、とやかく言うのはよくない」
街の人
「500年前は良かったかもしれないが、今の時代に合わせて変わったほうがいい」
 今後について、専門家は次のように指摘します。

大澤孝征弁護士
「意図的にある一定の動物を傷付ける目的でやっていることがはっきりしているのであれば、確かに動物虐待といえるが。これまで長く続いていた行事の中で、許された行為ということになると、犯罪として立件することはちゅうちょせざるを得ないのでは」
 行事の委員会は「アヒルを乱暴に扱わないよう呼び掛けるなど対策を講じている」と説明しています。

(「グッド!モーニング」2024年2月29日放送分より)

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