静岡県議会本会議では連日、リニア問題に関する質問が出ています。5日、議論になったのは「部分開業論」。提案する川勝平太知事の真意とは。

 先週から論戦が本格化した県議会。連日、取り上げられているのが、リニア中央新幹線です。5日、質問が相次いだのは、知事の持論の“部分開業論”についてでした。

自民改革会議・相坂摂治県議:「知事の部分開業論は、できるならやってみろと言わんばかりの主張であり、とても協力関係を築こうとする姿勢を感じることができない。静岡県がリニア開通促進するために何ができるのか、知事の考えを示してください」 

静岡県 川勝平太知事:「(2010年5月)国交省が諮問する交通審議会、中央新幹線小委員会で事業主体となるJR東海が、現在の実験線を延伸完成して間断なく東京から名古屋までを完成させる。実験線の延伸完成に基づいて言っている」

 川勝知事によれば、“部分開業論”は、あくまでJR東海の考えに基づいて発言しているといいます。さらに、部分開業について、リニア建設を促進する期成同盟会で議題に上げるとしました。

公明党静岡県議団 山本彰彦県議:「事業者であるJR東海が否定している部分開業について、建設促進期成同盟会で主張するとした知事の真意は?」 

川勝知事:「私はリニア早期開業のためのあらゆる可能性を探ることが重要と考えている。今も考えている。JR東海の丹羽社長は今年1月18日の会見で、改めて品川、名古屋間の各工区進捗を確認しつつ、工事全体の進め方について検討を始めたと発言した。すなわち静岡工区以外の工事完了時期について2027年以降にずれ込む可能性に初めて言及した。これは事業工程に関わる大きな状況変化である。これを受けて、2月29日に国が設置したモニタリング会議の最初の会合が開かれた。その会合で事業計画とモニタリングは一体である」

 このように話し、2月29日に初会合を開いたリニア中央新幹線“静岡工区”モニタリング会議について、独自の解釈を展開。国交省は、この会議をJR東海が行う“静岡工区”における環境対策を継続的に監視するための会議としていますが、川勝知事の解釈は違うようです。

公明党静岡県議団 山本彰彦県議:「部分開業が期成同盟会の目的に沿ったものであるのか、9都府県から反発なく理解が得られると考えているのか」

川勝知事:「期成同盟会は10都府県からなり、それぞれ知った仲であるから、インフォーマルにも、また期成同盟会の中でも議論ができる関係。そして今、全体の工程を見直すという流れの中でモニタリングが行われるので、多くの可能性があると思っている。そうした中で虚心坦懐に、他の副会長また会長と意見を交わして、なるべく早く全体の目的がかなうようにしたい」  

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