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山の斜面の崖の上にあり、しめ縄がかけられているゴトゴト石。従来は人が押せば揺れていたが、今は隣の岩に接したまま動かない=2024年3月3日、高知市土佐山桑尾、蜷川大介撮影

 高知市の山中にあり、崖っぷちでゴトゴト揺れるのに決して落ちないことから「受験生の聖地」と呼ばれた巨石を動かなくしたとして、関東の大学生6人が今年に入り、高知簡裁から器物損壊罪で罰金刑をうけた。

 器物損壊罪の罰金は30万円が上限で告訴が必要だが、石を大切にしてきた住民らが署名を集めるなどして、刑事告訴につなげた。

 関係者によると、石は重さ6トンと推定され、地元では「ゴトゴト石」と呼ばれてきた。

 大学生は男5人、女1人で、「絶対に落ちない石を、俺たちで落としてやろう」と2022年11月26日朝にレンタカーで東京を出発した。

 26日夜に現地に着いて石を揺らしたが落ちないため、愛媛県内の商業施設で荷絞めベルトやハンマーを購入。

 しかし、それらの道具を使っても石は落ちず、さらには石の向きが変わって動かせなくなった。

 27日朝に高知市内の車用品販売店でジャッキを買って山中に戻ったが、石を動かそうとするうちジャッキが壊れた。

 27日夕まで20時間近く現場周辺にいて、「くたくたになって、道具を放置したまま帰った」という。

 石は過疎が進む高知市土佐山地区の観光名所となっており、小中学生の学習教材にもなっていた。

 住民たちは告訴を支持する500人分の署名を集め、石のある山林を所有する神社が23年6月に高知東警察署に刑事告訴。高知地検は23年末に、「観光資源となっていた巨石を固定させて使用不能にした」として6人を器物損壊罪で略式起訴していた。(蜷川大介)

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