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寄贈された短剣や蔣介石の写真などを前に記念撮影する関係者=28日、東京都港区(桑村朋撮影)

彫刻の森美術館(神奈川県箱根町)が所蔵していた台湾の初代総統、蔣介石に関する史料24点が28日、台湾の総統府直属の歴史研究機関「国史館」(台北市)に寄贈された。短剣や日本留学時の日記が含まれ、国史館の担当者は「断交後も友好関係を築いた日台関係の貴重な歴史の一部分だ」としている。

彫刻の森美術館には、蔣介石の対日貢献を顕彰する「中正堂」がある。産経新聞社の1970年代の連載「蔣介石秘録」終了後、台湾から勲章を受けた当時の鹿内信隆社長が設置し、蔣経国元総統ら要人から贈られた文物81点を所蔵していた。

寄贈された24点には、蔣介石が軍官学校長時代に卒業生に渡した短剣や、日本留学時代の授業のメモ、蔣が中国・重慶にいたころに米国のマンスフィールド元駐日大使に贈ったマフラーが含まれる。移送後に国史館で一般公開される予定だ。

東京都内の台北駐日経済文化代表処(大使館に相当)で行われた寄贈式で、美術館を運営する彫刻の森芸術文化財団の玉木英二常務理事が国史館の陳儀深館長に目録を手渡した。

謝長廷駐日代表は「台日関係、文化交流をより一層密接にするものだ」とあいさつ。産経新聞社の熊坂隆光前会長は「産経新聞とフジサンケイグループは時代や政権に関わらず、一貫して隣人として台湾を重視してきた。寄贈が日台のさらなる結びつきの強化に役立てば」と語った。

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