韓国で「文在寅の悪夢、再び」の巨大リスク…!
世界中でいま「フェイクニュース」問題に注目が集まっている。今年は各国の大統領選挙などが多く、そうした選挙に絡めたフェイクニュースは明らかに増えてきているからだ。そうした中で、各国のフェイクニュースへの「対応力」が試されているともいえる。

韓国と言えば、2000年代初めよりネット社会の構築がものすごい速さで進み、「IT大国」と称される。日常生活においても日本以上にオンライン化が進み、便利さを感じる面も多々あるが、その反面でネット絡みで、社会を揺るがすような様々な事件や問題も多発しているのが事実だ。

そんな韓国の場合、多くの人が、ネット上の情報のみならず、主要メディアに対しても鵜呑みにはせず、不信感や猜疑心を持っているということが感じられる。それは、何事にも多かれ少なかれ左派か右派かという政治的な思想が絡んでいるという事情があるからだろう。

実際、文在寅(ムン・ジェイン)前政権下では、いくつかのメディアでは常に文在寅氏の顔色を伺うような忖度報道がなされていて、これが一層メディアへの不信感を高めるきっかけになった。4月の総選挙の結果如何では、そうした「文在寅時代の悪夢」が再び復活するのではないかという懸念も高まっているといえる。

そんな韓国で間違った報道が当時の政権や国民生活に大きな影響を与えた事例として真っ先に思い浮かぶのは、2008年に起こった「BSE(狂牛病)」による風評被害である。

当時の李明博(イ・ミョンバク)政権が米国産牛肉の輸入再開を合意するにあたり、当時の一部メディアが米国産牛肉の安全性を疑問視に加えて、BSE(狂牛病)発症の関連を強調した報道を行ったことから、世論の大きな不安や、当時の李明博(イ・ミョンバク)政権への不信感を煽ったほか、左派の市民団体が大規模な反政府デモ、所謂、「ロウソクデモ」を行うに至った。さらに、一部メディアは「韓国人は遺伝子的にBSEにかかりやすい」などと根拠不明の情報を流し、世論の混乱を招くようにまでなると問題に発展していき、番組側が謝罪するようなケースもあった。

世論を扇動する「手法」
また別のケースでは、韓国では過去のオリンピック中継において、参加国の紹介の際に複数の国をネガティブなイメージを連想させるような映像を流したり、視聴者から批判と抗議が相次いだこともあった。

こうしたことから、韓国ではどんなメディアに対しても大なり小なり報道姿勢を疑う傾向が強まり、「メディアは信用できない」という声が上がることがしばしばなのである。

主要メディアのみが情報源とされていた時代と比較して、現在では、SNSなど多様な方法で情報を得ることができるようになった。こうしたことから、韓国の左派がよく行う「あることないこと」を拡散させて世論を扇動する手法にも綻びが生じるようになっている。

しかし、情報の多様化の反面で、「情報を鵜呑みにするな」、「客観的に見ることが重要」と言われながらも、フェイクニュースに翻弄されるケースもある。また、フェイクニュースによって世論が炎上したり、政治的思想や性別、年代で社会的分断が引き起こされやすくなっているのも現代の特徴とも言えるのではないだろうか。

最近でも、サッカーアジアカップでキャプテンのソン・フンミンとエースのイ・ガンインの対立が表面化し、イ・ガンインが年上でキャプテンであるソン・フンミンに対する不敬な態度や、さらにソン・フンミンがイ・ガンインと小競り合いの際に指を負傷したことが明るみになると、イ・ガンインへの非難の集中砲火を浴びることとなった。