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台湾東部・花蓮県の「太魯閣国立公園」で、地震で崩落した橋(左)の代わりに使用するため整備が進む日本統治時代の橋(台湾交通部提供・時事)

 【台北時事】台湾東部・花蓮沖の地震で、日本統治時代の約100年前に造られた橋が山間部の復旧に一役買っている。長年使われていなかったが、隣接する橋が崩落。臨時使用が可能と当局が判断し、「再登板」となった。

 台湾メディアによると、この橋は花蓮県の観光地「太魯閣(タロコ)国立公園」の山間部の道路にある。長さ約10メートルで、日本統治時代の1930年に架けられ、71年に隣に新しい橋が完成して以降は利用されなくなっていた。

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台湾東部・花蓮県の「太魯閣国立公園」で、地震で崩落した橋(手前)に代わり使用される日本統治時代の橋(台湾交通部提供・時事)

 しかし、今回の地震で新しい橋が崩落。復旧に時間がかかることが見込まれるため、再び出番が回ってきた。技術者らが調査したところ構造や強度には問題がなかったといい、一部を補強して6日から使用を開始した。台湾の王国材交通部長(交通相)はフェイスブックで「大先輩の登場!」と紹介した。

 同国立公園では、各所で落石や土砂崩れが発生。地震による死者13人のうち12人がこれらの犠牲となったほか、依然として外国人2人を含む6人と連絡が取れていない。現地では余震が続く中、捜索活動が続いている。

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