台湾のバイクメーカー両雄の一角「KYMCO(キムコ)」が2024年春、日本市場向けに特別仕様車「AROMA 150(アローマ150)」をリリースしました。欧州市場ではすでに好評となっている「LIKE 150(ライク150)」を、日本のニーズに合わせたモデルです。

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台湾「キムコ」の150ccスクーターが、日本市場向けの特別仕様で
 台湾の「KYMCO(キムコ)」は、スクーターとバギーに特化してラインナップを展開していますが、とくにスクーターでは、世界に先駆けてスマートフォンをブルートゥース連動させたコネクテッドシステム「ヌードー(noodoe)」を搭載したモデルや、ドライブレコーダー標準搭載のモデルを発売するなど、ユニークな展開で支持を拡大してきました。

 現在のフラッグシップモデル「KRV180TCS」も排気量180ccクラスながら、エンジンはフレームに搭載されて独立スイングアームを採用し、前後重量配分50:50を実現しています。

「AROMA 150」特別仕様とスタンダードモデル(右後ろ)。特別仕様はマットブラック色でトップケース付。メッキだったリアキャリアもマットブラックに
 排気量150cc空冷単気筒SOHC4バルブエンジンを搭載する「AROMA150(アローマ150)」は、こうしたモデルとは一線を画し、コンパクトスクーターで必要充分な性能に絞り、通勤・通学に適したモデルです。

 もともとは欧州市場向けのモデルで、冠詞の「a」+「roma(ローマ)」がモデル名の由来となっています。イタリアンスクーターを思わせる雰囲気が特徴で、所有する「ブツ欲」も満たすバランスのとれた仕上がりとなっています。

 2024年春に登場した日本市場向けの特別仕様は、全身マットブラックのボディカラーに、白色のパイピングが施された黒色のシートがアクセントになっています。

 ウインカーは点滅時だけ黄色に光り、通常は白色のポジションランプ風で、フロントもリアもボディラインに溶け込むすっきりとした印象です。

 スクーターを選ぶきっかけはいろいろありますが、雨具やヘルメットが収納できる日常の使い勝手は優先度が高いのではないでしょうか。「アローマ150」にはフロントにグローブボックス、シート下にトランクなど収納スペースは確保されていますが、フルフェイスヘルメットは収納できません。

 そこで、特別仕様ではトップケースを標準装備とすることで、ヘルメットの収納問題を解消しています。

 12Vのシガーソケットが装備されたシート下トランクは、スマートフォンの充電などユーティリティスペースとして活用することができ、またフロントのグローブボックスには、ETC車載機の収納に適しています。「アローマ150」は排気量150ccなので、高速道路の利用が可能なのです。

「アローマ150」の走りを紹介する前に、スクーターの選択肢としてもうひとつ重要とされるシート高については、日本のユーザーの嗜好に合わせて、ちょっと低めの760mmに設定されています。これは国内外の150ccクラスのスクーターの中で最も低いシート高を実現(2022年12月現在)しています。

 車重も、150ccクラスとしては128kgと軽量で(トップケースを除く)、街中の混合交通で走りやすさを実現しています。

 キムコのスクーターモデルは、どのモデルもコンパクトさが追及されおり、混合交通の中での軽快な機動性は車体の大きさに影響されることもあり、この車格は非常にポイントが高いと言えるでしょう。