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生存者は今でも年に1度、慰労会を開いている(フェイスブックから)

 今から50年前の1972年10月13日、乗員乗客45人が乗った飛行機がアンデス山中に墜落した。45人中29人は死亡したが、16人は生存。救助されるまでの72日間、凍てつくように寒い高山で耐え抜いた。

 食料が切れた後、彼らは生き残るために死んだ乗客の人肉を食べ続けたことで、世界的なニュースになった。生存者たちは今でも年に一度、慰労会を開いている。墜落から50周年を迎え、生存者のラモン・サベラさんは「人肉を食べるということは恐ろしいことで、最初は嫌悪感を抱いたが、だんだんと慣れていった」と述懐する。

 もう1人の生存者、カルリトス・パエスさんは「唯一の悩みは、友人の人肉を食べなければならなかったこと。でも生きるためには仕方がなかった。後悔はしていません」と語る。

 というのも、同機に搭乗していた乗客のほとんどは同じ大学のラグビー選手だったからだ。ウルグアイからチリのサンティアゴに向かう途中の事故だった。救助されるまでに72日間もかかったのは、捜索が事故後10日目で打ち切られたためだった。

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