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毎日新聞 2022/1/17 17:36(最終更新 1/17 17:36) 806文字




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衆院本会議で施政方針演説をする岸田文雄首相=国会内で2022年1月17日午後2時10分、竹内幹撮影

 第208通常国会が17日召集され、岸田文雄首相は衆参両院本会議で初の施政方針演説に臨んだ。看板政策「新しい資本主義」を「経済再生の要」と位置づけ、今春に実行計画をまとめると表明。再教育の充実など官民で「人への投資」を「早期に少なくとも倍増させる」と強調し、最低賃金もできるだけ早期に全国加重平均1000円以上を目指すと述べた。「核兵器なき世界」を目指し、各国の政治リーダーらが参加する「国際賢人会議」を創設し、22年中を目標に広島で初会合を開く方針も打ち出した。

 新型コロナウイルスについては「一度決めた方針でも、より良い方法があれば、柔軟に対応を進化させていく」と述べ、6月をめどに政府の司令塔機能の強化や感染症法のあり方など中長期的な対応を取りまとめる考えを示した。感染力が高い変異株「オミクロン株」の特性を踏まえ、重症・中等症患者への医療提供体制の強化などメリハリをつけて対応するほか、ワクチンの3回目接種の前倒しもペースを上げると説明した。



 50年に国内の温室効果ガスの排出を実質ゼロとする政府目標を巡っては「炭素中立型の経済社会に向け、投資を早急に、少なくとも倍増させる」と語った。日本の技術を生かし、アジアの脱炭素化に取り組む「アジア・ゼロエミッション共同体」の創設も掲げた。

 今国会の会期末は6月15日。各党は19〜21日、衆参本会議で施政方針演説に対する代表質問に臨む。【小山由宇】

岸田首相の施政方針演説のポイント
・6月をめどに感染症法のあり方を含む中長期的な対応を取りまとめる。

・核兵器なき世界を目指し「国際賢人会議」創設。年内にも広島で初会合を開く。

・「新しい資本主義」の実行計画を今春にまとめ、世界の議論をけん引する。

・「人への投資」を早期に少なくとも倍増させる。

・最低賃金はできるだけ早期に全国加重平均1000円以上を目指す。

・脱炭素社会の実現へ、投資を早急に少なくとも倍増させる。