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2022年02月08日07時17分

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熊本県産の産地偽装疑惑を受け、価格が高騰している北海道産アサリ=7日、東京都江東区の豊洲市場




 熊本県産アサリに産地偽装の疑いが判明したことを受け、東京・豊洲市場(江東区)では北海道産などのアサリが高騰している。主産地だった熊本県産の扱いが控えられ品薄になったため。
 例年、この時期に豊洲市場で取り扱われるアサリは、熊本県産が多くを占めていた。2月に入り、農林水産省の調査によって外国産が混入されている疑いが出ると、同市場では熊本産の扱いを自粛する動きが広がった。このため、2月第1週のアサリの取扱量は、前年同時期に比べてほぼ半減した日もあった。
 同市場では熊本産の代替品として、北海道産や愛知県産などの集荷を増やしたが、熊本産の穴を埋めるには足りず、品薄で値上がりしている。特に北海道産の高値が目立ち、2月7日の卸値は1キロ当たり1600円前後と、問題が判明する前に比べ倍に跳ね上がった。北海道産は「歯応えと味が良い」(豊洲の仲卸)のが特徴で、イタリア料理店などでも使われるという。
 熊本産は8日から2カ月程度、出荷が停止されるほか、「産地偽装の疑いがあるものは扱えない」と豊洲の卸会社も事態を深刻に受け止めており、品薄状態は今後もしばらく続く見通し。北海道産などの取引価格は「さらに高騰しそう」(卸会社)だという。