ロシアによるウクライナへの攻撃が深刻さを増すなか、自動車大手が生産や輸出の停止に踏み切ることを相次いで決めた。物流の停滞やルーブル安による市況の悪化に加え、ロシア事業に注がれる視線の厳しさも一因だ。現地に出店する「ユニクロ」や「丸亀製麺」といった衣料や外食分野にも、逆風が吹きつけている。

 トヨタ自動車は3日、ロシア・サンクトペテルブルクの工場の稼働を4日に止めると発表した。日本や欧州からロシアへの完成車の輸出も全面的に止める。在庫がなくなり次第、販売もやめる。

 工場の停止は、ロシアへの経済制裁などの影響で、国外からの部品調達に支障が出ているためとしている。再開時期は未定。この工場ではSUV「RAV4」とセダン「カムリ」を製造しており、2021年は8万台程度を生産していた。

 トヨタはロシアで168カ所の販売・サービス拠点を構え、年間10万台超を販売している。欧州での販売台数の約1割にあたり、英国などと並ぶ規模だ。

 日産自動車も3日、ロシアへの完成車の輸出を停止していると発表した。物流リスクを踏まえた対応という。日産もサンクトペテルブルクに年間4・5万台を生産する工場を持つが、「現状が継続する場合、現地生産の停止などに至る事態が予想される」という。

 マツダも自動車部品のロシア…(以下有料版で,残り1738文字)

朝日新聞 2022年3月4日 7時00分
https://www.asahi.com/articles/ASQ336R3CQ33ULFA001.html?iref=comtop_7_02