日本維新の会が国民民主党への不信感を強めている。国民が衆院で新年度予算案に賛成し、急速に与党への接近を図っているためだ。国民とは法案の共同提出など国会での連携を図ってきたが、維新は協力関係を「白紙に戻す」(幹部)方針だ。

 「与党と一緒に政策協議するなら早く自民党に連立の申し入れをした方が分かりやすい」。維新の松井一郎代表は17日の記者会見で、国民との関係見直しを進める考えを示した。
 維新、国民両党は昨年10月の衆院選以降、同じ「是々非々」路線を取る立場から、国会で足並みをそろえてきた。12月にガソリン税を一時的に引き下げる「トリガー条項」の凍結解除を求める法案を共同提出。通常国会では、衆院憲法審査会の定例日開催を与党に求めるなど、共に存在感をアピールした。
 しかし、国民が衆院で2022年度予算案に賛成し与党との距離を縮めると、衆院選で躍進し独自色を強める維新は態度を硬化。さらに国民が参院でも賛成すると分かると、維新は「もう連携することはない」(幹部)と突き放し、早速、凍結解除法案の取り下げ検討に着手した。
 これに対し、国民側も維新への不満を募らせる。幹部は「維新は大阪の意向が絶対。党内のガバナンスがなっていないから信用できない。法案の共同提出ももうやれないだろう」と言い捨てた。

時事通信 2022年03月21日08時21分
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