わんこホルモンはLINE公式からの予約が必要。ランチ、ディナータイムのほか、10:00からの「朝焼肉枠」もある(こちらも人気)

"ひとり焼肉"を掲げる「焼肉ライク」の新たな一手が話題だ。11月1日から始まった「わんこホルモン」は980円(税込)で牛ホルモンとキムチが60分食べ放題で、550円追加すればレモンサワー、ハイボールの飲み放題もつく。つまり、1530円で60分間お酒と焼き肉を無限に楽しめるのだ(東京・恵比寿本店限定)。

同店の牛ホルモンは100g380円、キムチは100円、レモンサワーは380円なので、それぞれ1回ずつお代わりをすれば元が取れてしまう破格のコースである。

「これまでも『焼肉ライク』は型破りな戦略を取ってきた」と語るのはフードジャーナリストのはんつ遠藤氏だ。

「2018年から拡大を続け、現在では首都圏以外に北海道、愛知、大阪、福岡など全国69店舗を擁(よう)する最も勢いのある焼き肉店です。ひとり1台の無煙ロースターを用意し、焼き肉をファストフードとして提供。高回転率に支えられた味と価格のバランスの良さが好評で、バラカルビセット(200g)はご飯、スープ、キムチ付きで950円と驚異のコスパです」

ホルモン食べ放題コースは利益が出るのか?

「スケールメリットを生かし大量購入で仕入れの効率化を図ってはいるものの、980円ではそこまで大きくは儲からないでしょう。一方で、巧みなのは飲み放題の価格設定。ドリンクの原価は1杯40円程度なので550円なら十分な利益が見込めますから。

つまりホルモンと飲み放題を組み合わせることで、利益率はコースを頼まないお客さんとさほど変わらないようにしているのです」

そこでお店に行き、わんこホルモンを体験してみた。事前予約が必要なので空席状況をチェックすると、1週間先までひとり席は昼も夜も満員。わずかに空いていた日曜19時からのふたり席を予約した。

「ひとり席のほうが人気というのは象徴的。コロナで増加したひとりメシ需要をしっかり取り込めている証拠です」(はんつ氏)

コース専用の特別なシートに通されると、卓上には自分専用のサーバーが。お酒はここからつぎ足せる。ホルモンとキムチは備えつけのタブレットから注文する仕組みだ。

いざコース開始。ホルモンはかなり脂っこいが、味噌ダレがよく絡んでいておいしい。キムチはやや甘めの味つけで、コッテリした口のリフレッシュにぴったりだ。

レモンサワーを傾けながら食べ進めること40分、味にマンネリを感じ始めたところで調味料を使ってみる。卓上には醤油ダレのほか、味噌ダレ、レモン汁、にんにくおろしなど6種が備えつけられているほか、塩やこしょうももらうことができる。

飽きたらライスを追加注文しようかと思ったが、キムチやお酒、味変のおかげで頼む必要もなく60分が終了。ふたりでホルモン800g、レモンサワー6杯、キムチ8皿を平らげた。3000円で約6000円相当を楽しんだ計算だ。

わんこホルモンはまだ恵比寿本店限定。今後全国に広がる可能性はある?

「このコースだと1席当たり7回転しかできません。ライクでは10回転以上するのが通常ですから、全席をコース用のシートにするのは難しいでしょう。とはいえ宣伝効果は抜群。ほかの店舗も数席をコース用シートにする可能性はあると思います」(はんつ氏)

格安で無限にホルモンとお酒が楽しめる神コース。どうか全国に広がりますように!

https://wpb.shueisha.co.jp/news/lifestyle/2021/11/15/114815/