「きしめん」と「あんこ」。名古屋で愛されてきた「食」を組み合わせたデザートが、名古屋市のきしめん店の名物となっている。
異色のコラボを実現させた「究極の名古屋メシ」とも言えそうだが、そのヒントは、福岡県のある郷土料理にあった。

 「きしめん家天むす比呂野」(名古屋市昭和区)のおしながきには、約20種のきしめんが並ぶ。上質なかつお節から手間ひまかけてダシをとり、
手打ちの麺は食感にこだわる。きしめんを注文すると、同じく名古屋メシの「天むす」がついてくるのも売りだ。

 名古屋メシの魅力が凝縮されたこの店の名物が、「ごろし」(税込み500円)だ。
冷たいきしめんの上に、つぶあんときなこ、バニラアイスがのっている。
つゆはなく、黒蜜をかけて味わう。

 店主の広野耕史さん(38)は「白玉ぜんさいのようなイメージ。アイスが溶けてくると、麺もつるつると食べられる。和のデザートです」。

平べったい麺に絡むあんこ

 箸で混ぜると、平べったい麺に、あんこときなこがよく絡む。きしめんのつるっとした食感と、粒あんのつぶつぶ感の相性が絶妙だ。

 食べ進めていくと、アイスが溶け始め、口当たりがまろやかになっていく。通常のきしめんとほぼ同じ量のため、ボリュームもたっぷりだ。

 麺は、通常のメニューと同じものを使っている。
特徴的な幅広の麺は、コシを残すため、他店よりも少し厚みを持たせ、幅は少し狭くしている。

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