5年以内に初飛行?

 ヨーロッパの航空機メーカー、エアバスが2035年を目標に開発を進めている、二酸化炭素を排出しない「ゼロエミッション旅客機」。総2階建ての胴体をもつエアバスの超大型旅客機「A380」の初号機(MSN001)が、この新技術を検証するデモンストレーター機の役割を担います。エアバスらが日本時間2022年2月22日(火)深夜、発表しました。

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デモンストレーター機となるエアバスA380「MSN001」(画像:エアバス)。

「ゼロエミッション旅客機」のエネルギー源は水素。改良したガスタービンエンジンで水素を燃やして推力を得るという新たなスタイルの旅客機です。水素エンジンは、サフランとゼネラルエレクトリックの合弁会社であるCFMインターナショナルが開発します。

 デモンストレーター機となるA380「MSN001」には、このCFMインターナショナル製の水素エンジンを搭載。ただ設置場所は通常のエンジンがある主翼下ではなく、胴体後部に独立して取り付けられ、そこで各種試験が実施される予定です。また胴体後部には4つの液体水素タンク、液体水素分配システムなども設置されます。このほか、コックピットなどの改修も実施される見込みです。

 エアバスによると「A380は世界最大で最も広い旅客機であり、テストプラットフォームの役割に適している」とのこと。なお、同機で行われる試験はまず地上で実施されるものの、将来的には上空で飛行した状態での試験も計画されているとしています。エアバスによると「最初の試験飛行は5年以内に行う予定」とのことです。
【了】

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デモンストレーター機となるエアバスA380「MSN001」(画像:エアバス)。

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