立憲民主党の森裕子参院議員が、フェイスブックで国家戦略特区ワーキンググループ座長代理の原英史氏に関する報道記事などを投稿したことで名誉を傷つけられたとして、原氏が385万円の賠償を求めた訴訟の判決が18日、東京地裁であった。伊藤繁裁判長は一部について名誉毀損(きそん)と認め、34万円の支払いを命じた。

 判決などによると、毎日新聞は2019年6月、原氏が規制改革を望む福岡市の学校法人副理事長と会食し、法人側に費用を負担させていたなどと報道した。森議員はフェイスブックの自身のアカウントに、リンク先として同記事のデジタル版や、原氏の自宅住所が記載された一般社団法人の登記情報を投稿した。

 伊藤裁判長は、学校法人側が会食費用を負担したことを裏付ける証拠はないとして「真実の証明がない」と指摘。全国紙の報道であっても、真実と信じる相当の理由があるとは言えないとの考えを示した。また、原氏の住所公開はプライバシー侵害に当たるとした。

 原氏は毎日新聞社に対しても損害賠償を求める訴訟を起こしたが、同地裁の別の裁判長は昨年9月、報道は公益目的で、真実と信じる相当の理由があったとして請求を棄却した。

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