夏の参院選で大激戦が予想される東京選挙区(改選6)。自民、立憲など主要政党の候補者が続々と決まり、構図が明確になった。

 自民は、アイドルグループ「おニャン子クラブ」元メンバーで、女優の生稲晃子氏、元ビーチバレー日本代表の朝日健太郎氏が出馬予定だ。

 54歳の生稲氏は、乳がんを患い5度の手術を受けた経験があり、「治療と仕事の両立ができる環境作りに取り組みたい」とアピール。おニャン子世代からの支持は期待できるが、知名度が問われる若者世代の票をいかに取り込めるかがカギになる。

 2議席獲得を狙う自民にとって重要なのは、票をうまく割れるかだ。2016年は、中川雅治氏と朝日氏が当選したが、獲得票数は約24万の差が生じた。また、07年には現職だった保坂三蔵氏の当選は確実と見込み、陣営が新人・丸川珠代氏に力を入れた結果、保坂氏が落選した経緯もあり、選挙戦略体制を整えることは必至と言えるだろう。

 立憲は、同選挙区で圧倒的な強さを誇る蓮舫氏と、新人で元衆院議員の松尾明弘氏を公認済み。公明・竹谷とし子氏は3選を目指す。また、ファーストの会からは、都民ファーストの会で代表を務める荒木千陽氏が出馬予定。蓮舫氏を筆頭に女性候補がズラリと並び、どのように差別化を図るかに注目だ。

 情勢によると自民、公明、立民の各1議席の獲得は固いが、残る3議席は無所属の乙武洋匡氏の出馬により、大混戦となりそうだ。乙武氏が無党派層の票をどれだけ取り込めるかによって、主要政党の獲得議席も大きく変わるだろう。

 その他には、共産で現職の山添拓氏、日本維新の会・海老沢由紀氏らが立候補を予定。参院選は6月22日公示、7月10日投開票が有力視されている。

(記者コラム・坂口 愛澄)

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