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寄生虫「アニサキス」による食中毒が相次ぐ中、鳥取・岩美町で養殖されたブランドサバが、寄生虫の心配がなく、生でも食べられると注目されている。
養殖に取り組んでいるのは、異業種から参入した地元企業。その奮闘ぶりを取材した。

アニキサスの心配がないサバ開発
鳥取県内で、2022年に多発している寄生虫「アニサキス」による食中毒。7月半ば時点で12件の報告があり、例年の年間の件数をすでに大きく上回っている。

アニサキス食中毒経験者:
サバ寿司を食べた約7時間後、胃を千枚通しで刺されるような痛みで目が覚める断続的な強い痛み

サバやイワシなどに寄生し、ヒトの胃に侵入すると激しい腹痛やおう吐、じんま疹などの症状を引き起こすアニサキス。
その心配がなく、生でも食べられると注目されているのが、岩美町で養殖されているその名も「お嬢サバ」。5年前、JR西日本と鳥取県が養殖技術を開発した。

タシマボーリング・田島大介社長:
問い合わせは非常にあります。かなり毎日、いつもの倍くらいは。生で食べられるなんて、すごいねという声をいただける

7月半ばまでの出荷量は、2021年12月ひと月分の3倍に上るという。施設があるのは、岩美町の網代漁港の一角。海ではなく、陸上の施設でサバを育てている。

タシマボーリング・田島大介社長:
生で身はもちろんですし、白子や肝も美味しく食べられる。地下からろ過された水を供給することで、寄生虫や病気のリスクが抑えられる環境で育てています

もともとクジラに寄生する「アニサキス」。クジラの体内で産まれた卵は、フンとともに海へ排出。プランクトンの一種「オキアミ」に食べられる。さらに、そのオキアミはサバなどに食べられ、体内へ。ふ化した後、内臓などに寄生する。

このアニサキスを寄せ付けないよう、「お嬢サバ」は人工ふ化。寄生虫がいない稚魚を、地下海水と呼ばれる塩分を含む地下水で養殖。

この地下水はくみ上げるときにろ過され、オキアミやアニサキスの卵を除去、出荷まで寄生虫がいない環境を実現した。

まさに「箱入り」で育った「お嬢サバ」。その味は…

本田記者:
普通のサバよりも脂がのっている。青魚特有の臭みもない

異業種からの参戦…挑戦の日々
「お嬢サバ」の養殖に取り組んでいるのは、鳥取市の「タシマボーリング」。井戸や温泉の掘削、ボーリング調査が本業。

タシマボーリング・田島大介社長:
手探りでやってますね。本当にこれが正しいのか答えが無く、いつも試しながら挑戦の日々です、毎日