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 日本時間19日、イギリス・エリザベス女王の国葬が行われた。国全体が休日となり、沿道には別れを惜しむ多くの市民が集まったほか、各地の公園や映画館でも中継された。

 同じ日、日本では代々木公園に安倍元総理の国葬に反対する人々が集結し、抗議デモを行った。その数なんと1万3000人(主催者発表)。これまでも国会前や官邸前などで何度もデモが起こり、週末に行われたANNの世論調査でも「反対」が54%という結果になっている。

 国葬の論争が1週間前に迫っても収まらない状況について、20日の『ABEMA Prime』は、欠席を表明している立憲民主党の辻元清美参議院議員と前政調会長の小川淳也衆議院議員を交えて議論した。

 日本で行われたデモについて、「2006年からネット上の右対左のケンカを見続けている」というライターの中川淳一郎氏は次のように疑問を呈する。

 「安倍晋三氏ほどカタカナで『アベ』と書かれて左から叩かれまくった政治家はいないし、SEALDsをはじめとしたデモが発生した総理大臣はいない。原発事故後に代々木公園で反対運動があったり、共産党・民主党・社民党の党首が出てデモをやったりしたじゃないか。その時のイシューが反原発、LGBTQの平等、安保法制反対、共謀罪反対だ。そのメンバーが今回も集まって、演説に出た人もいつもの面々だなというふうにしか思わなかった。結局、2010年代中盤から“安倍反対”と言ってきた人たちで、リベラル寄りの政党が集まり、過去の学生運動をやった高齢者を集めて、若者を前に出して自民党政権に反対するというやり口がまだ通用するのか」

 これに小川氏は「共謀罪から始まって、集団的自衛権、解釈改憲が安倍政権に対して厳しい評価をしている人たちの共通する情念だろう。その一連の中で、国葬で“なかったことにする”というか、十把一絡げに正当化しかねない最後の押し引きの段階だ。それらに反対を示すのは一貫しているといえばしている」、辻元議員は「安倍政権への評価と国葬への反対・賛成は要素として切り離せないと思う。ただ、あのデモは一部だと思う。これだけ世論で反対がうなぎ上りに増えていったのは、一般の人も“ちょっとこのやり方はおかしい”とか、統一教会の話が同時並行的に出てきている中で“安倍さんがその中心にいたんじゃないか”と思っているわけだ。裾野の広い疑問や疑念が出てきているのではないか」と回答した。

 中川氏は「結局、8年間政権を倒せなかった。私はリベラル寄りなので、もっといいやり方でやってくれよと。辻元さんが指摘した3つの視点は完全に同意しているからこそ、国葬にしなくていいと思っている」とした。


 原発反対などの要素が入ってくることで国葬に対する論点はぼやけてしまわないだろうか。辻元氏は「驚いたのは、官僚にも『国葬だけはダメですよね』とストレートに言う人がけっこういる。閣議決定の一存で進めていくことに危機感を持っている官僚もいるわけだ。(デモについて)切り取るとああいうふうに見えるけれども、やはり一人ひとり(国葬に対して)意見を持っている」と訴える。

 では、国葬の開催はもう致し方なしと思っているのか。「私は今からでも切り替えたほうがいいと思っている。安倍昭恵さんはこれでいいのか、ご家族のご意向はどうなのかと。もう少し静かに見送りたかったと思っていらっしゃるのであれば、表明してほしいと思う」「国葬について国会を開かずに本当に逃げる。それは安倍政権からずっとだ。ただ、立憲が変わってきたのは、国対ヒアリング=官僚の吊し上げということでびびっていたものを、今回はしっかりやることで問題点や統一教会のことが次から次へと出てきている。国会の中では最大限、戦う姿勢で展開していきたいと思う」と述べた。(『ABEMA Prime』より)

https://times.abema.tv/articles/-/10040359