0001きつねうどん ★
2022/10/17(月) 07:59:39.71ID:CAP_USERhttps://www.yomiuri.co.jp/media/2022/10/20221016-OYT1I50113-1.jpg?type=large
「絶対辛くないシシトウ」の育ち具合を確認する鍋島さん(左)と尾崎さん(高知県南国市の県農業技術センターで)
高知県のシシトウ出荷量は2210トン(2020年産)。全国シェアは4割超で、本来の旬を外れる冬~翌春のハウス栽培に限れば8割超を占める。その多くは、飲食店を中心とした業務用で消費される。
このため、社会科見学でセンターを訪れる小学生には「シシトウを知らない」といった声も少なくない。ビタミンCが豊富なため、地元小学校に給食用として売り込んだが、「辛いものが混ざっている」と、門前払いされることもあった。
コロナ禍で飲食店が休業に追い込まれると、売値が例年の半値ほどになり、農家は苦境に立たされた。
そんな中、辛みのないシシトウの開発を進めていたのは、県環境農業推進課の鍋島 怜和さとわ さん(41)。「高知のシシトウのおいしさを多くの人に知ってほしい」と2012年から本腰を入れて研究に着手した。
辛いシシトウができるメカニズムは完全には解明されていないが、特定の遺伝子が関係しているほか、多くの農家が「水不足や高温などのストレスがかかると辛みができる」とみる。
辛いシシトウの実には、▽光沢がない▽堅い▽緑色が濃い――といった特徴がある。通常、収穫や出荷段階で取り除いているが、完璧に判別するのは難しい。
センターでは、見た目や香り、育ち具合を観察しながら種の周辺を味見する単純作業を続け、16~20年度、肥料や農薬などに計約400万円の研究費を投じた。
20年に鍋島さんから研究を引き継いだ同センター研究員の尾崎耕さん(30)は「多い時で1日1000個以上味見した中には、『当たり』もあって作業が大変だった。改めて、辛みのないシシトウを作りたいと思った」と振り返る。
交配を繰り返しながら、辛くなる遺伝子を持っていない株を選抜していき、今年3月、味の良さや育てやすさも兼ね備えた「絶対辛くないシシトウ」が完成。
センターは農林水産省に品種登録を出願し、来年秋頃から県産ブランドとして売り出す方針だ。鍋島さんは「子どもたちにたくさん食べてもらい、家庭消費が大きく伸びてほしい」と期待している。
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