エスカレーターの安全な利用を促そうと、名古屋市は、歩かず立ち止まって乗ることを義務付ける条例の素案をまとめた。来年2月の市議会定例会で条例案の提出を目指す。同様の条例は、埼玉県が昨年10月に施行しており、市によると制定されれば全国2例目という。

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事故防止のために「歩かない」などと壁に掲示されている地下鉄のエスカレーター(14日、名古屋市で)

 市内の駅や商業施設などにある全てのエスカレーターが対象。急ぐ人のために片側を空ける習慣が定着しているが、素案では「立ち止まった状態での利用」を義務付ける。管理する事業者にも周知義務を課す。罰則は設けない。

 市が今年6~7月に実施した市民アンケートでは、エスカレーターを「歩いて・走って利用したことがある」と答えた人が67%に上った。利用中の事故で救急隊員が出動した事案は2021年度に133件あり、市には「後ろから駆け上がってきた人にぶつかられて怖い思いをした」などの声も寄せられているという。

 近くホームページなどで素案を公表し、意見を公募する。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20221115-OYT1T50079/