ロールス・ロイス(RR)は現地時間3月1日、米空軍の戦略爆撃機B-52H「ストラトフォートレス」向けエンジン「F130」の試験をNASA(米国航空宇宙局)のステニス宇宙センター(ミシシッピ州)で開始したと発表した。600基以上の引き渡しを計画している。

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ロールス・ロイスのB-52用エンジンF130(同社サイトから)

 B-52は1機あたり4つのポッドに8基のエンジンを搭載。米空軍は2021年9月に、B-52Hのエンジン換装をロールス・ロイス・ノース・アメリカに発注した。

 新エンジンはF130で、英ロールス・ロイス(RR)の民間機用エンジンBR700ファミリーのうち、ビジネスジェットのガルフストリームG650に搭載されているBR725の軍用機向け。RRによると、これまでのエンジン飛行時間は2700万時間以上で、信頼性が実証されており、ライフサイクルコストも優れているとしている。F130の試験や製造は、米インディアナ州インディアナポリスの工場が担う。

 新エンジンは、B-52の機体寿命を30年延ばすことになる。RRによると、運用時の燃料効率が向上し、空中給油の回数が減り、維持費が大幅に削減されるという。

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米空軍のB-52H(ロールス・ロイスのサイトから)

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