3/31(金) 19:52    NEWSWEEK
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衛生兵としてウクライナの戦地に送られたロシア軍の女性兵士が、自ら経験した軍内部の悲惨な状況を告発>


ウクライナに侵攻しているロシア軍の幹部らが、女性衛生兵に対して、自身の「性奴隷」や「戦地妻」になるよう強要している──同軍の元女性兵が、自らの経験を踏まえてそう告発した。

【写真】ウクライナ戦争中に隊員の美人コンテストも...ロシア軍の女性兵士たち
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2023/03/post-101260_1.php

ロシア軍の元兵士のマルガリータさんは、ラジオ・フリー・ヨーロッパ/ラジオ・リバティが28日に公開したインタビューで、戦地妻や性奴隷になることを拒否した女性衛生兵は、幹部から悲惨な虐待を受けることになるとも明かした。

ロシア軍に11年間勤務した後、2017年に退役したマルガリータさんは、子供を養うためにウクライナでの戦争の衛生兵に志願したという。訓練のため送られたロシア西部ニジニノブゴロドで、戦車小隊を指揮する大佐から「戦地妻」になるよう求められ、性的な誘いを受けたが、マルガリータさんは拒否した。

大佐は、部隊がウクライナの戦闘地域に配備された後も、マルガリータさんを誘い続けた。その後、部下に命じてマルガリータさんを夜に地べたで寝かせたり、戦闘地域へ送り込んだりと、彼女を厳しい環境に追いやったという。

「大佐と性的関係を持つことに同意するよう、彼らは私を壊そうとした。しかし、私は切り抜け、そうとわかると、彼は私を砲兵隊に送るよう命じた。危険区域、最前線だ。私がそこで死ぬと思ったのだろう」と、マルガリータさんは述べた。

マルガリータさんは、軍で受けた心的外傷に対処するため、2カ月間リハビリに励み、現在も抗うつ剤を服用している。

■複数の将校の相手をさせられる女性兵も

マルガリータさんによれば、医療部隊の中で性奴隷になるよう圧力を受けた女性兵は他にも6人いるという。ある将校が酔った勢いで戦地妻を銃で撃つのを目撃したこともあり、その女性には後遺症が残ったという。

また、アリーナという女性兵は、複数の将校の相手をさせられ、部隊に戻ることはなかった。

「女性たちはたいてい、折り合いをつけている。この戦争の中で、『楽園』で暮らすほうがましだと判断したのだ。食料もタバコを与えられるのだから」とマルガリータさんは言う。

現在、ロシア軍に所属する女性兵の人数は明らかになっていないが、2021年の時点で4万人と推定され、90万人いる兵士の5%にも満たない。