4/18(火) 18:02    現代ビジネス
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昨年7月の参院選出馬を検討
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 岸田文雄首相を襲撃した木村隆二容疑者(24歳)は、4月17日に弁護士の接見に応じたものの、取り調べには現在も黙秘を続けており、事件の動機はまだ判明していない。

【写真】「おい、何やってんや!」岸田首相テロ…木村隆二容疑者(24歳)

 そんななか、木村容疑者が2022年6月に国に損害賠償を求め、神戸地裁に提訴していたことがわかった。現代ビジネスはその訴訟の全貌をつかんだ。その折の木村容疑者の主張のなかには、旧統一教会や岸田文雄首相、安倍晋三元首相に関する批判も並ぶ。

 木村容疑者は昨年7月10日投開票の参議院選挙に立候補しようとしていた。だが当時23歳の木村容疑者には被選挙権がなく、選挙区から出馬するのに必要な供託金300万円も準備できなかった。

 木村容疑者は、公職選挙法が定める被選挙権の要件や供託金が憲法違反だとして、国を訴えたのだ。弁護士はつけず、自ら訴状などを作成した「本人訴訟」として訴訟を起こした。

 今回「現代ビジネス」は、2022年11月18日に神戸地裁で言い渡された判決文や裁判資料を入手した。そこからは、木村容疑者のテロ事件への犯行動機につながる政治的な恨みが浮かび上がる。

 木村容疑者はどのような主張をしていたのか。今回のテロ事件につながるものはあるのか。訴訟資料から本人の主張を引用しよう。まず、被選挙権の年齢要件について。

 《立候補の自由は、選挙権の自由な行使と表裏の関係にあるから、憲法15条1項、3項が保障する選挙権は、被選挙権をも保障していると解すべきである。》

 木村容疑者の主張の引用を続けよう。

 《参議院議員の被選挙権年齢を満30年以上に設定する公選法10条1項2号を含む公選法10条の規定は、合理的な理由なく成年の被選挙権を侵害するものであり、憲法15条1項及び3項に違反するものである。

 また、満30年未満の成人が、満30年以上の成人と同じ「大人」であるにもかかわらず、参議院選挙につき被選挙権を有しないとされることは、社会経験に基づく思慮が十分ではなく、その分別を有しないことを理由とする差別であるから、公選法10条1項2号に規定は、憲法14条に違反するものである。》

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