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 松井一郎前大阪市長(59)がSNSの投稿内容で名誉を傷つけられたとして、タレントの水道橋博士氏(60)に550万円の損害賠償を求めていた裁判で、大阪地裁は16日、水道橋氏に110万円の賠償を命じる判決を言い渡しました。

 訴状などによりますと、水道橋氏は2022年2月、自身のツイッターで第三者が作った松井氏に関するユーチューブ動画を紹介しました。

 動画の内容を要約したサムネイル画像には、松井氏について「維新の闇」、「パワハラ」、「裏口入学」、「強姦事件」、「経歴ヤバすぎ」などと書かれていました。水道橋氏はこれを引用リツイートする形で、「下調べが凄い。知らなかったことが多い」というコメントを加え、あたかもこれらが事実であるかのような印象を与えたということです。

 水道橋氏の投稿は削除されないまま残されていて、16日までに4000件以上のリツイートがされています。松井氏側は「事実ではないのに過去に犯罪行為をしたかのような内容を自身の影響力とインターネットを利用して拡散させたことは極めて悪質だ」などと訴えていました。

 一方、水道橋氏は「政治家が市民の発言を抑え込もうとするスラップ訴訟でやり方が横暴だ」などとして、訴えを取り下げるよう求めていました。

 大阪地裁の冨上智子裁判長は16日の判決で、水道橋氏側に110万円の賠償を命じる判決を言い渡しました。松井氏、水道橋氏の双方ともに法廷に姿を見せることはありませんでした。

 判決では「投稿を見た人はサムネイル画像だけを見て、動画を視聴するとは限らない。水道橋氏の投稿によって、松井氏がパワハラなどをしたことが事実であるかのように認識した読者が一定数おり、松井氏の社会的評価を低下させたことは明らかで名誉棄損に当たる」と指摘しました。

 一方で、「投稿の直後に松井自身氏が誹謗中傷やデマに対しては法的手続きを取ると返信ツイートをしていることから、被害の程度は一定程度防止されている。投稿を見た人の中には、松井氏の疑惑について、裏付ける根拠がないと認識した者もいると考えられる」として、賠償額は110万円が妥当であると結論づけました。

 判決を受け、松井氏は「SNS上でデマを拡散して、人を誹謗中傷することは絶対に許せない。今も名誉棄損されて、その被害に苦しんでおられる方がいる中で、今後このような事案がなくなることを強く望みます」とコメントしています。

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