自民党女性局の議員らによるフランス研修旅行への批判は、炎上から1カ月たった今も、終息する気配が全くない。同党の松川るい参院議員(52)がエッフェル塔の前で記念写真を撮影、SNSに投稿したのは7月27日のこと。7月24日から28日までの3泊5日のフランス研修の一コマだったが、これが大炎上した。騒動から約1カ月がたった8月下旬でも松川氏を批判する記事は依然として配信されており、かなりの閲覧数に達している模様だ。


 政治アナリストの伊藤惇夫氏は「正直に言うと、これほど尾を引く問題に発展するとは思っていなかった」と驚きを隠さない。

「もちろん、国民が『何をバカなことをやっているんだ』とあきれるのは当然ですが、一過性の批判で終わると予想していました。ところが現実は1カ月が経過しても終息の気配がない。その背景には、電気、ガス、水道、ガソリンを筆頭とする物価高、税や社会保障費の負担に国民が悲鳴を上げていることが大きいと思います。国民は日々の生活に悪戦苦闘しているのに、自民党の国会議員は研修とは名ばかりの観光旅行に興じていた。もともとマイナンバーカードの問題など、岸田政権には強い逆風が吹いていました。研修旅行の問題はそこに追い打ちをかける格好となり、世論が爆発してしまいました」

 松川氏といえば、東大法学部を卒業し、外交官試験に合格して外務省に入省したという輝かしい経歴の持ち主。知性と教養を兼ね備えた元エリート官僚なのだから、あんな問題だらけの研修旅行に参加し、SNSに写真をアップしたら、批判の声が殺到すると想像できなかったのだろうか。

「まさに『想像力の欠如』が原因だと思います。松川さんは記念写真をSNSに投稿すると、一般の国民がどんなリアクションをするのか予想できなかった。外交官から国会議員という経歴は過剰なエリート意識を持ちやすいですし、あのフランス旅行など氷山の一角です。依然として多くの国家議員が観光旅行のような研修旅行に興じています。『これくらいのことは誰でもやっている』という意識が、松川さんの想像力をさらに欠如させた可能性もあるのではないでしょうか」(伊藤氏)

 伊藤氏は旧民主党の事務局長を務めたことがあり、その際に候補者公募の選考に携わっていた。多くの“エリート”が国会議員を目指して応募してきたが、中には常識が欠如したタイプもいたという。

「小論文と面接を課していましたが、それだけでは本当の人間性など分かりません。結局、最終的に重視されるのはいつも学歴と職歴でした。さまざまな候補者を間近で見てきましたが、たとえ高学歴のエリートであっても、非常識な人間はいると痛感しました(笑)。交通事故を起こして逃走した人、事務所の家賃を踏み倒した人、など本当にいろんな候補者がいました。学校の成績が傑出していても、社会人として実績を残していても、人として必要な常識と良識を兼ね備えているわけではないのです」

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8/30(水) 17:21配信   AERA dot.
https://news.yahoo.co.jp/articles/37ddb4102fb3c2fbc68cc1c033229089564f6779