リレー小説 星屑の記憶
そういえばそもそも、シュギョウとは修業と書くものだったか?
少年の頃に悠蔵も多分に洩れず夢中になった、龍の宝珠を探す少年漫画では修行と表記していたような?
…瞑想はいつしか、自叙伝を執筆し大層に売れて印税生活でウハウハになる妄想へと変容していた。 悠蔵が即身成仏になる寸前、またしてもYZWに助けられる。 YZWの計らいで生活保護を受けることができたのだ。 そして悠蔵は見世物小屋でホモを相手に客を取らされた 悠蔵もいつしか、これが自分の仕事であると割り切るようになっていた。
見世物小屋での月日が2年ほど過ぎたある日のこと。 森の中で熊さんに出会った。
熊さんは腕のいい大工であったのだが、身体をこわして生活保護を受けるよう
になった。悠蔵とは役所で支給日に顔を合わせることはあったが、森の中とは
奇遇である。 熊さんには人には言えない秘密があったため森の中に住んでいた 「それなら、べつに森の中に住まなくてもいいじゃん」 レオナルド熊とは関係無いですよね?
悠蔵の何気ない問いかけに熊さんの表情は一瞬にして強張る そう言われて今に至るのだよ。
笑いながら自身の昔話をしてくれた熊さんの目はどこか寂しげであった。 「うちに来るか。蜂蜜酒を密造してあるんだ。つまみは俺の自慢話な」
悠蔵はためらった。先程熊さんは精力増強について語っていた。やはり不安なの
である。 やはり熊さんとこれ以上親しくなるのは危険だ。
そう思う悠蔵であった。 熊さんは佐渡金山の強制労働の話を始めた。
いつしか悠蔵の目から涙が滲んでいた。 どうやら熊さんには男色嗜好はないようである。安心した悠蔵は、特製だという
蜂蜜酒に口をつけたが、なんだか生臭い味がしてよろしくない。 そろそろ帰りヤス。
熊さんはそう言うと掘っ立て小屋から出て行った。
えっ、ここは熊さんの家じゃなかったのかい?
私は呆気に取られてポカーンとしてしまった。
しばらくして外に出ると熊さんの姿はなく、日が沈み辺りは薄ら暗くなっていた。
仕方ない、ここで一夜を過ごすとするか… 人が寝てるときに勝手に入ってきて、何が仮面ライダーだ。大体この異世界に
仮面ライダーが存在しているのか。
悠蔵の憤りは半端なものではなかった。 小屋の外から物悲し気な声が聞こえて来る。
「1枚…2枚…3枚…」
しかし、窓から見てみても誰も居ないのです。
「4枚…5枚…6枚…」
ん、あんな所に井戸が。
どうやら声は井戸の中から聞こえてくる様です。 「で、今の話はフィクションなのか?」
囲炉裏に吊るされた鍋の汁を椀に注ぎ熊さんが尋ねる。
あれ?熊さんって確かここから出て行ったんじゃ…
私は狐につままれた気分になった。 藤井竜王(フジイタツオウ)は熊さんの弟であり心霊研究家である。 これは心霊現象の類か呪術的な攻撃か
悠蔵は恐れおののいた 熊さんと会話をしてみるがどうも話がかみ合わない。
その男が言った。
「ワタスは熊の弟の鮮明と申すます」 わけがわからない。何だかモヤモヤする。
悠蔵は熊さんの弟だという鮮明が作った汁を口に含んだ。こいつも生臭て閉口
する。それに何の肉だかわからないものが入っていた。
悠蔵は心霊研究家の竜王に常々感じている疑問をぶつけてみた。
「どうしてこの世界でも日本語が通じるのですか」 帰る場所は掘っ立て小屋か見世物小屋しかない。
悠蔵はやむなく藤井竜王の長考に付き合うことにした。 藤井くんが夕食にと天丼を作ってくれたんだけどなんか微妙。
乗っかってる海老が虫っぽいんだ 藤井くん「山だからね。仕方ないね。さあがっつりいってよ!」 無理をして天丼を食する悠蔵に対し、心霊研究家藤井竜王は厳かに言った。
「星河悠蔵、そなたは物事を四角四面にとらえすぎる傾向がある。もっと鷹揚
に構えておればよい。言葉が通じるなら、それはそれでありがたいと思って
おればよいではないか。YZWを見るがよかろう。あやつも転生者ぞ」 (確かにYZWは魔界転生のころの沢田研二にどことなく雰囲気が似てるなフム…)
妙に納得する悠蔵であった。 心霊研究家藤井竜王「ところで呪いの動画があるんだがこれを見てくれ」 気が付くと悠蔵は熊さんと酒を飲んでいた
これは某アニメで見たことのある死に戻り!
何度死んでもセーブポイントに戻されるという現実に体験すると発狂するやつだ
悠蔵は思った。早くこの場を離れなければと 熊さんの頬のホクロが逆にあることに気づく。
直感的に悠蔵は思った。
これは現実ではない死を見せられてるだけだと。 だが、たとえ死後の世界にいるのだとしても、地獄で鬼に責め苛まれているわけ
ではないのだから、現状で満足することにした。藤井竜王のアドバイスに従った
のである。 藤井「出たな妖怪!」
ひふみんは藤井の繰り出す妖刀をスルスルかわしたあと暗闇に消えた。 と同時に私は藤井くんを激しく責め立てたのです。
「お前が呪いのビデオなんか見せるからこんな事になってもたやろコラ。どないしてくれんねん。どアホが!!」
「そんなに目くじらたてんでもええやんねん。西川くん…」 夜の12時になると皆帰ってしまった
ガラスの靴を残して 深夜の森の中。
悠蔵はほったて小屋で朝まで過ごすことにした。 突然消してあったテレビが映りビッグペニスが画面から出てきたのだ よく見るとどこかで見た顔であった。
先ほど掘っ立て小屋から突然居なくなった熊さんである。
熊さんが全裸で街を徘徊する姿がテレビには映っていた。 熊さん・藤井竜王・鮮明の熊三兄弟。こいつらはヤバい。これ以上付き合うの
はやめたほうがいい。悠蔵はそのように思うのだった。 彼らは世紀末暴走三兄弟を名乗り深夜の街を全裸でバイクにまたがり爆走していた ピンポーン。
悠蔵が朝食の支度をしていると、玄関のチャイムが鳴った。スコープを覗いて
みると、そこにいたのは例の三兄弟だった。
どうしよう。このまま居留守を使うか。 しかし、そんな選択肢など無かったのだ。
奴らはドアを蹴飛ばすと部屋に乱入してきたのだ。 「こらぁ、こそこそしやがって、地元の仲間を大事にしろよ」
「僕はあなたがたとは地元がちがう。別の世界から転生してきたんだ」
「うるせぇ!」
「おえおう!」熊さんの拳骨を顔面に受けて悠蔵は鼻血を吹きだした。 悠蔵は隙を見て街に逃げ帰ると世紀末暴走三兄弟の敵対チームである南斗六性拳に助けを求めた 悠蔵は南斗六性拳のリーダーである類銭虎の股間の急所を蹴りあげた。 だが、後ろから南都六星の巨星、アンドレが折りたたみ椅子を振り落とす
刹那、グレートがそれを阻止。
グレート「おいっ!!」
グレートの掛け声に応じて見事にマッスルドッキングキメて南都コンビをマットに沈めた!!
グレート「やったなっ!!」
グレートが私の肩を叩く
私「おう!!………誰!?」 ああ、一遍に二つの不良グループを敵に回してしまった。
このように制御不能なところが悠蔵をして、かつて学校内での孤立を生みだし、
引いては登校拒否・引きこもりを生ぜしめた原因であった。 「テリー、テリーだろ?お前。」
私はグレートにそう言った。
私がピンチの時に助けてくれるのはいつも親友のテリーだったからだ。
「ククク、わしじゃよ。」
グレートがマスクに手をかけると自らの正体をさらけ出した。
「!!…く、熊さん。」
私は狐につままれた気分になった。
「さて、次の2回戦も突破するぞ。」
熊さんは軽快に笑った。 南斗一派と北斗一派が勝手に小競り合いを始めたのでその隙に悠蔵と熊さんは森へと逃げ帰るのだった。 何故か蓮舫はビキニ姿でライフルを構えている。
「昔、グラビアやってたとは聞いてるが、なんなんすかね?」
そう熊さんに尋ねるもそのセクシーな姿を見た熊さんは昇天していたのだった。 そこに1人の男が乱入した
???「けつあな確定な」
この男の正体は・・・ 暴れていた者たちはけつあなに大きなペニスを挿入された 逃げ惑う荒くれ者達。
まさに地獄絵図の様相を呈していた。 わけても皇帝の暴れっぷりには凄まじいものがあった。これは異世界の暴れん坊
将軍か。震えあがった悠蔵はそそくさとその場をあとにした。 そこにゴブリンの大軍が襲撃してきた
その数およそ3万 しかし次々とイシス皇帝に犯される始末。
こうなるともう手もつけられない。 藤井「よもやよもやだ!竜王として不甲斐なし!穴があったら入りたい」 「イシス皇帝の男根にそもそも勝てる者など居るのか?出来レースじゃねーか。」
YZWはそう疑問に思いつつも男魂祭の会場設営に励むのであった。 男魂祭当日
会場には褌一丁の屈強な男たちが集った
男魂祭とは厄除け祈願の為、1万人以上の裸男達がたった1人の厄負人めがけて殺到する奇祭であった
一昔前までは厄負人は罪人が務め、必ず死者を出していた危険な祭だ 祭りの喧騒が耳に入ってきたが、悠蔵の心は冷ややかだった。
かれは見世物小屋の敷地のはずれにある仮設テントの中にいた。ここで悩める
ホモの相手をするのである。かれらは実生活の中で偏見や差別を受けていたの
である。
悠蔵はコンサルタントの役割を担っていたが、何ゆえYZWがこのようなシステム
を作ったのか見当がつかなかった。 仮設テントでは熊さんの語り部活動が行われていた。
佐渡金山強制労働の話をホモ達は涙を流しながら聞いていた。 YZWが悠蔵のもとにやってきた。
「悠蔵、よくやってるようだな。この調子ならホモだけじゃなくLGBT全般に
拡げてみるか」
勘弁してくれよと悠蔵は思った。
「それでYZWさん、祭りのほうはどんなもんです?」
そのことばを聞いたYZWの顔に不快感があらわれた。
「皇帝がやれというなら、やらなきゃどうしようもねえよ」 何だか良からぬ方向に舵を切り始めたので修整をば…
私は悠久とも思えるほどの長い眠り(規制)から目覚めたのです。
だだっ広く薄ら暗い空間に数本の蝋燭がおのれを主張するかの様にゆらゆらと燈火を放っています。
「おお、星河 遥よ。死んでしまうとは情けない!」
静寂の中に突如として向けられた大声に私は驚き跳上がってしまいました。
こんな怪奇な所で一体!?
私は恐る恐る声の主の方へ顔を向けます。
そこに居たのは小さな女の子。
おかっぱ頭の…そう、座敷わらしといったところでしょうか。
見た感じ敵意は無いよう…安堵した私は彼女にこう尋ねます。
「あなたは誰?そして、ここは何処?」
女の子はやれやれといった表情で話します。
「ワシの名は暦ちゃん、ここは時忘の社。
時空の狭間、生と死の境界…
そなたは死んだのじゃ。そして、さまよう魂はここに辿り着いたのじゃ」
私が死んだ!?
………そういえばそんな気がする。 私は謎のメガネ男に後ろから狙撃され死んだはずだった 「後ろから狙撃されたのに、相手がメガネ男だったって、なんで解るんですかね? あなた生前は妖怪だったん?」
一人掛けの綿入れ椅子に脚を組んで腰掛け、芋の揚げ菓子をパリパリつまみながら、暦ちゃんとやらは気怠げに問うてくる。 「私を撃ったのは少年だった。それまでに、夢に何度か出てきた....眼鏡は....
掛けていたかどうか....わからない」 記憶の記憶の断片が甦ってくる。
私はある秘境の地でソロキャンプをしていた。夕食に鹿肉を入れたカレーをこし
らえたが、この鹿は森で見つけた地元の猟師を襲って、かれの獲物を略達した
ものだった。食後思い立って夜行登山を敢行したが、山頂付近でかの少年の
銃撃を受けたのだった。背後からの一発はあやうく躱し、背負い投げで制圧して
怒鳴りつけると、かれは「堪忍しとくんなはれ」と謝ってきた。どうも夢で見た
感じの子と違うと思った。
油断であった。
ポケットの中に別の小銃を忍ばせていたとは・・・