覚せい剤取締法違反事件の公判で虚偽証言をしたなどとして、愛知県警は28日、中川署地域課勤務の巡査部長(37)を同日付で戒告の懲戒処分にしたと発表した。

 
 県警によると、巡査部長は昨年9月の同事件の公判で、被告男性の兄の名前を使って男性に現金計2万円を郵送したことを弁護側に問われた際、「現金を送付したことはない」などと偽証した。また、覚せい剤使用が疑われる場合は未開封のペットボトルで水などを提供するという内規に反し、被告男性の採尿前に紙コップで水やお茶を飲ませていた。

 今年3月の判決で名古屋地裁は、この巡査部長が採尿前に飲ませたお茶などに薬物が混入されていた可能性が否定できないとし、男性を無罪としていた。判決後、名古屋地検が偽証罪などで捜査し、同4月に巡査部長を不起訴処分とした。

 依田龍次郎首席監察官の話 信用を失墜する行為で深くおわびする。再発防止に努める。