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中国の習近平国家主席

 米中央情報局(CIA)のバーンズ長官は10日、上院情報特別委員会の公聴会に出席し、ロシアによるウクライナ侵攻で「中国の習近平国家主席が動揺している」と指摘した。北大西洋条約機構(NATO)不拡大などロシアの主張を支持してきた中国の指導部が、ロシアの攻撃による人道被害が増加するに従って国際的な評価を低下させており、戸惑っているとの見方を示した。

 バーンズ氏は、中国はこれまでロシアとのパートナーシップに多額の投資をしてきたと指摘し、「この関係が、すぐに変わるとは思わない」と述べた。一方で、習氏に対して中国の情報当局が「ロシアの侵攻で何が起きるかを伝えていなかったように思える」とし、習氏の「動揺」につながっていると分析した。

 また、対露制裁などに伴う経済的な影響や、米欧が連携を強化して対応している状況も中国指導部の予想外だったと指摘。中国は米国と欧州を分断する方法を探していたが、ロシアの侵攻で「(分断の)可能性が低いことを示した」と語った。【ワシントン鈴木一生】

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