リレー小説 星屑の記憶
私はYZWの見世物小屋が建っている原っぱを歩いていた。一面に生えていたマツ
タケはこの数日で変質してドロドロに溶けたような状態になっており、何とも
不快な臭いをあたりに撒き散らしていた。 突然、私の頭の中に誰かの声が聞こえてきた。
「任務を遂行せよ」
と。 幻聴であろう。私がやるべき任務など何もない。
タクヤは私の別人格であった。そのタクヤにマツタケを食べさせたということ
は、結局私が食べたことになるのだ。どおりで先ほどから吐き気がする。
あのマツタケには幻覚だけでなく幻聴の作用もあるようだ。しかし、タクヤとは
一体何者なのだろうか。 つかスレも中盤になると、「団長って誰だったっけ?安田大サーカス?」
思えば遠くへ来たもんだ。 この世界で団長の那智闇人に会えるとは思えない。かれは今でも過去に私や兄や
YZWがいた世界にとどまっているはずだ。 団長は全裸で亀甲縛りに吊るされローソクを垂らされていた そこにハブ会長がやって来た。「私は命を狙われている。こやつを改造して木村タクヤと
YZWを抹殺してもらいたい。」 早速頂き女子リリちゃんはタクヤとYZWに近づき金を要求した 頂き女子リリちゃん「一銭!?」YZW「ジンバブエドルもあるでよ。」 YZWはタクヤの分も金を払った。タクヤは私の別人格であるから、私に代わって
払ってもらったということになる。食屍鬼に魂を吸い取られた後、元に戻して
もらった件に続けて、またしてもYZWに借りができた。 YZWは股間の小型ミサイルで応戦した。
しかしすぐにタマが尽きてしまった。 頂き女子リリちゃんはYZWの魂を捨ててあったダッチワイフに移したのだ 私と悠造の前に魂の抜け殻になったYZWの身体と、その魂がこもっているダッチ
ワイフが横たわっている。
私自身が魂になった経験からして、YZWは私たちの姿が見えていて、話している
声も聞こえているのだろう。
借りを返す意味において、今度は私たちがYZWの魂を元に戻さなければなら
ない。 私は頂き女子リリちゃんをまねて魂を移す術を行った
しかし今度はタクヤの魂がYZWの身体に入ったのだ 「あ゛〜」
横たわっていたYZWの身体から異様な声が発せられた。どういうことなのか? 「復活するぞぉ!」
今度はまともな言葉になっていた。悠造がYZWのもとに駆けよった。
「YZWさん、大丈夫ですか!魂が抜かれてしまったので、どうなるかと」
「俺に魂なんか必要ねえよ」 YZWの最強スキル【完全無ケツのロックンローラー】が覚醒した 「そう…、二ホンの社長のケツ氏がお亡くなりに…。」 「だいぶ体が温まってきた」そう言ってYZWが寝ていた状態から何とか体を
起こした。それにしても驚くほどの生命力だ。
「バナナはないか。あったら房ごと持ってこい」
「あると思います」悠造が探しに行った。 悠造「バナナはなかったけど美味しそうなキノコをもってきました」 YZW「馬鹿者、そんな低カロリーなものが用をなすか!手っ取り早くエネル
ギーになるものが必要なんだ」 そこで私はコーヒーに山ほど砂糖を加えてYZWに提供した。
YZW「フム、なかなか気がきくじゃないか」 派閥のパーティー券をノルマ以上売り上げると自分の収入にできる能力だ YZW「なにっ?!特捜が動いている?チッ」
YZWは急いで航空チケットを取りガザ地区に向かった。 一体YZWは複数の派閥を持つどのような組織に所属しているというのか。
私は悠造に尋ねた。「兄さんはYZWが主催するパーティーに行ったことが
あるの?」
「家に招かれたことがあるな。彼の家族と一緒にすき焼きを食べたんだ」
「それはただの家庭の食卓ね」 YZWは病院地下の「はます亭」に入った。
しかしそこは注文の多い料理店だった。 最終的に全裸で塩もみされたYZWは「おお!やめてジョバンニ!」 塩漬けになったYZWが送還されてきた。一体何しに行ったのだろう。 YZWはダイハツを立て直すためダイハツの入社試験を受けた 面接官は蓮舫そっくりだった
YZWはイヤな予感がした YZW「イヤじゃ!」蓮舫「不採用!」クリスマスソングが流れ、カップルしかいない
雑踏の中をYZWは号泣しながら歩いてた。 YZWは戻ってきたが、まったくもって不機嫌で、声をかけることがはばか
られた。 私はシンプルな疑問を兄にぶつけてみた。
「この異世界にはキリスト教が存在しないのにクリスマスだけがあるのはなぜ」
「悠、おまえは物事を四角四面にとらえすぎる傾向がある。もっと鷹揚に構え
ておればよい。クリスマスが楽しめるなら、それはそれでありがたいと思って
おればよいではないか」
悠造はそうこたえたが、そのことばは自分のものではないような気がした。 悠造は中華料理店の裏で生ゴミをあさった。
しかし目ぼしいモノはない。
「誰か!私に下痢便カレーを!」 今日は大みそかである。この一年リレー小説でもいろいろあったな。希望を託していたTKY
はあんなひどい状態だし、私はもう兄貴とYZWの元を離れ、人生をやり直したい。 軽トラの荷台に小屋を作り道の駅やキャンプ場を転々とした。 私は年越しそばを食べることにしたがどん兵衛は却下だ そして夜が明けた。「アハッピーニューいや〜んばか〜ん、そこがお乳なのアハーン」 キャンプといえば、私は前世での最後の日、ソロキャンプをしていたのだった。
その夜思いつきで登山を敢行し、そのあげくに謎の少年に射殺されたので
あった。 その少年は今は80過ぎの老人で介護施設で暮らしていた。
認知症が酷く職員も手を焼いているようだった。 満天の星空であった。私が死んだ日もこんな空を見上げていた。しかし今見て
いる異世界の空にある星座はまったくわからない。よそよそしさを感じてしま
う。 私は軽トラ荷台のシェルに乗り込みカセットガスで焼きそばを調理して食べた。その後は発泡酒を呑み電気毛布にくるまって寝た。 目が覚めたとき、東の空が明るんでゆくところであった。日はまだ昇ってきて
いない。 ラジオをかけると新年早々大震災に始まり、飛行機炎上・大火事・電車内での無差別殺人
挙句の果てには大物芸能人の性加害。何だこれは、いつの間にかこの世界はこんな酷い事に
なっていたのか。自分探しや現実逃避している場合じゃなかった! 私は介護施設の老人を訪ねた。
しかし老人はそこにはいなかった。
「あのお爺ちゃん、また徘徊してるのかねえ」
介護職員が困った顔をして相談していた。 私は能登半島で軽トラ車中泊をすることにした。
ふと周りを見ると同じように車で寝泊まりしている人々を発見した。 不謹慎警察のおじさんが腕を組んで状況を見守っている。 太郎はわざわざ被災地に入り炊き出しのカレーを食べて文句を言っていた 不謹慎警察のおじさん「>>671と>>673をボアせよ。」
私と太郎は屈強な男達に取り押さえられ、レイプされた。 心に傷を負って、私は再び異世界の旅を続けることにした。 軽トラックは不謹慎警察とやらに没収されたので、徒歩で旅を続けざるを得な
かった。旅の道づれとなったのは、私と同様レイプ被害者の太郎であった。
太郎は、自分は勇者であるから、これから先の旅は安心してよいと豪語した。
そうは言っても、勇者がレイプされるのかと、ただあきれるしかなった。
「それなら私は魔法使いよ」と言ってやったが、太郎はポカンとして歩き続
けた。 見世物小屋のギロチンショーに出ることになった。
YZW「何か言い残すことは?」
私「…最後に、下痢便カレーを一口…」 下痢便カレーで何故か生きる希望が湧いた私はYZWと太郎を惨殺し、見世物小屋を放火して逃げた。やはり快楽殺人鬼スネ夫の主役に俺はなる! 「自分がギロチンを受けるであります!」
これが勇者太郎の男気なのか。私はかれに、ティムくんが前にやった、頭で
受けるというやり方 ( >>46 ) をアドバイスした。
「メロリンQというのが本物ならばうまくいくわ」 何だか世界が分裂したような感覚があったが、気のせいだろう。
舞台の上ではYZWいそがしくパフォーマンスの準備をしながら、ぶつぶつ言って
いた。
「この前は糞野郎の那智闇人の興行だったが、今回は俺自身が主催するショー
だ。失敗はできん・・・」 今日も見世物小屋評論家のハブ会長は来ていない。
少々の失敗は許されるだろう…
YZWは甘く考えていた。 そもそもどうなれば成功なのか、そこのところがYZWにはよくわかってなか
った。 気になった私はYZWにそのことを問いただした。するとYZWは
「スパッと切れたら、それでいいだろう」
「でもそうなったら太郎は死んでしまうわよ」
「あっ!」 「何モタモタやってんだ。はやく始めろ!」
観客の怒声が聞こえてきた。 私、太郎、人志の3人がギロチン台に首と両手をガッチリと固定された。
YZW「さて、どいつからやっていこうか?」 YZWは熱々に煮込んだおでんのこんにゃくを人志の顔に投げつけてみた。
人志「熱っ!!ナニすんねんもうっ!!」
観客がどっと笑った。 「自分には大根をお願いします!」太郎が頓珍漢なことを言った。 「よっしゃ!ギロチンは中断。皆でおでんを食うぞ!」
そういうYZWの声ははずんでいた。
そして舞台の上で突如おでんパーティーが始まった。私、太郎、人志も参加した
のである。
一方観客は置いてけぼり状態となった。 その隙に私はギロチン台から抜け出し、ハブ会長に助けを求めた。 私は一晩身を隠し、翌日の昼過ぎ見世物小屋に戻った。
それから、昨日おでんパーティの後どうなったのかを悠蔵に尋ねた。 「おでんパーティのあと、やっぱりギロチンショーは実行されたんだ」悠蔵が
付け加えて言った。
話し下手な兄の言うことをまとめると、1時間以上続いたパーティの間、観客は
辛抱強く待っていたのだという。そうとなればYZWとしてもショーを続けざるを
得ず、太郎と人志を再度台に固定して、まず太郎に対してギロチンの刃を落と
したところ、太郎は私のアドバイスの通り頭で受けたというのだ。 しかし、ティムくんの石頭とは比ぶべくもなく、ギロチンの刃は太郎の頭にぐさ
りとくいこみ、これには観客もどん引きであった。太郎は病院行きとなり、人志
はギロチンを受けることを免れたのであった。 私は見世物小屋の敷地において文春砲が炸裂した跡を見に行った。それは大きな
穴となっていた。何という非道であろうか。
そこにYZWも視察にやってきた。顔を合わせるのがちょっと気まずい。